...良人(おっと)の顔付きには気も着かないほど眼を落した妻は口をだらりと開(あ)けたまま一切無頓着でただ馬の跡について歩いた...
有島武郎 「カインの末裔」
...舌(した)はだらりと長くたらして...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「みにくいアヒルの子」
...午後からたった一人の客ぐらいでは(まぶた)がだらりとせざるを得ない...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...博士の首にからみついている綱がだらりと下へ下る始末...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...お由好みの緋縮緬(ひぢりめん)がだらりと地へ垂れ下る...
海野十三 「白蛇の死」
...だらりとぶら下った...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...両手をだらりとさげてゐるのは普通の人形の通りであつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...見ると長い舌がだらりと垂れていた...
田中貢太郎 「餅を喫う」
...両手をだらりと垂れて...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...舌をだらりと出したまま...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...見るも気の毒なほどにだらりと垂れていた...
夏目漱石 「永日小品」
...巻き納めぬ手紙は右の手からだらりと垂れて...
夏目漱石 「虞美人草」
...だらりと床の方へ垂れ下っているのに...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...縞目も判らぬ素綿入(すわたいれ)を着た肩は長い襟筋から両方に分れてだらりと下(さが)つた見すぼらしいものである...
平出修 「公判」
...両腕をだらりと垂れたまま...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...だらりとしてしまった...
室生犀星 「童子」
...帯はだらりと解けている――「まあ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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