...午後からたった一人の客ぐらいでは(まぶた)がだらりとせざるを得ない...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...舷側にだらりともたれかかっている僕の顔を呆れたような目でみて...
海野十三 「地球を狙う者」
...それがだらりと絡んでくるような...
大坪砂男 「浴槽」
...胴から下はだらりと...
豊島与志雄 「霧の中」
...後(あと)からは村(むら)の念佛衆(ねんぶつしう)が赤(あか)い胴(どう)の太皷(たいこ)を首(くび)へ懸(か)けてだらりだらりとだらけた叩(たゝ)きやうをしながら一同(どう)に聲(こゑ)を擧(あげ)て跟(つ)いて行(い)つた...
長塚節 「土」
...だらりと首を垂れてしまうかと思うと...
夏目漱石 「永日小品」
...だらりと舌を出す...
久生十蘭 「地底獣国」
...縞目も判らぬ素綿入(すわたいれ)を着た肩は長い襟筋から両方に分れてだらりと下(さが)つた見すぼらしいものである...
平出修 「公判」
...だらりとカーペットの上へ垂れ下がっていました...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...胴体や手足をだらりとぶら下げて無抵抗に噛(か)まれている...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...その着物ののばした両袖に手首がだらりと下って...
平山蘆江 「怪談」
...いすのひじかけを越えてだらりとたれている両腕で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...白い二本の手は又先の様にだらりと両わきに下った...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...祖母ちゃんはミツ子の足をだらりとたらしておんぶったままその前に坐って...
「小祝の一家」
...両手を――それは長くてぶら下げると膝(ひざ)のあたりまで届くが――だらりと左右に垂れて...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...彼はだらりと椅子の両側へ腕を垂れ...
横光利一 「上海」
...入口の柱に寄りかゝつて帶をだらりと垂らした十八九の女が一人...
吉江喬松 「山岳美觀」
...のんべんだらりと待っている奴が間抜けというものだ...
吉川英治 「親鸞」
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