...私のところにあるのだけでも...
小穴隆一 「二つの繪」
...その積立が元金だけでも一千五百十二円ある...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...そういう事を理解するだけでもその効能はなかなか大きいものであろう...
寺田寅彦 「物理学実験の教授について」
...想像しただけでも...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...既に夜の間だけでも可なり苦しめられていた...
豊島与志雄 「子を奪う」
...その機関だけでも――その熱望が...
中里介山 「大菩薩峠」
...これらを一瞥しただけでも...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...「田舎(いなか)では蕨(わらび)の根も田螺(たにし)も、藁も杉の皮も食うと言うが、江戸の者は一体何を食やあ宜(いい)んだ――昨日も昌平橋の側で三人、今日はお茶の水で二人、此界隈だけでも、何十人何百人行倒れになるか、わからねえ世の中だ...
野村胡堂 「黄金を浴びる女」
...文久二年師走以来の暦をくってみるだけでも...
服部之総 「新撰組」
...いちどだけでもよろしいから...
久生十蘭 「あなたも私も」
...考えただけでも罰(ばち)があたりますよ」「罰? なんの罰が? たれが罰をあてるんだね? 僕はいつも考えるんだよ...
火野葦平 「花と龍」
...それだけでもう少年には好かったのだった...
堀辰雄 「幼年時代」
...今夜だけでもゆっくりとお休みなさい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしは今、ようやく人生の効用と快味とを忘れ始め、それほどにこの世の楽しみに執着しなくなっているから、それだけでも、昔よりは遙かにおびえない眼をもって死を見ている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...呼ばれていらしったというだけでも...
山本周五郎 「風流太平記」
...笠置の破れが聞えただけでも...
吉川英治 「私本太平記」
...それを待つだけでも...
吉川英治 「新書太閤記」
...――あるいは少なくともあの右手の指の滑らかな光だけでも...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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