...それ故小供の賢不肖は...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...それ故欧米人の外情に通ずるものは皆等しく日本を危ぶんだ...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...それ故に、前述のことから、神は必然的に存在する、と結論しなければならない...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...それ故問題はそれ自身の成立に於て他の問題へ運動するという特色を有っている...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...大衆性とはそれ故...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...* スコットランド学派の常識哲学はそれ故...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...「それ故ユークリッド的計量を予想する時非周期的なる(即ち周期を除外もせず又それを与えもしない)統一形式が択ばれねばならぬ...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...空間はそれ故一般に有限 geschlossen とも無限 offen とも云うことは出来ない...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...それ故、叙述の筆はここで島村陽一から離れざるを得ないのである...
豊島与志雄 「死の前後」
...それ故また逆に、知性と行動との融合する童話の世界が希望されるのである...
豊島与志雄 「新時代の「童話」」
...それ故、あの名刀は評判倒れ、実はそれほどでもない剣(つるぎ)を、あんまり評判が高くなった故に、人に見られるのがきまりが悪く、それ故秘して置くという蔭口もござる...
中里介山 「大菩薩峠」
...本人の稽古と準備のために……」「その辺も心得ている、それ故、家中一同にその用心を怠らず、いつ沙汰をしても驚かぬようにしているが肝腎」能登守自身も必ずや、このことを考えていないはずはない...
中里介山 「大菩薩峠」
...「百、何しに来たんだ」悪いところへ悪い奴と思って、七兵衛が苦りきっていうと、百蔵は洒唖(しゃあ)として、「日光街道の大松原で、ふと兄貴の後ろ姿を見かけたものだから、こうしてあとをつけてやって参りましたよ」「油断も隙もならねえ」七兵衛が鍬をついてがんりきをながめていると、がんりきは、その鍬と七兵衛の掘り出した油紙包の箱と両方へ眼をくれながら、「ひとつ折入って兄貴にお聞き申したいことがあって、それ故、おあとを慕って参りました」「それはいったい、どういうことを聞きたいのだ」「ほかでもありませんが、この道中筋を横と縦へ向って、今がんりきの百蔵がしきりに捜し物をして飛び廻っているという次第ですが、その捜し物というのは、兄貴の前だが……」「わかってる、わかってる」七兵衛は頭を振って、「手前(てめえ)が、そうしてのぼせ切って東西南北を血眼(ちまなこ)で馳け廻っている有様を見ると、おれは不憫(ふびん)で涙がこぼれる、仕舞(しまい)の果てにはなけなしの、もう一本の片腕をぶち落されるくらいが落ちだろう……色狂(いろきちが)い!」「その御意見は有難えが、時のいきはりで、つい引くに引かれねえ場合なんだから、どうか友達甲斐に、このがんりきの男を立ててやっておくんなさいまし」「馬鹿野郎!」「まあ、そうおっしゃらずに……ときに兄貴、いったいこれからがんりきはどっちへ振向いたら目が出るんでございましょう、そこのところをひとつ」「おれは易者ではないから、そんなことは知らねえ」「それが兄貴の悪い癖なんだ、目下(めした)の者をあわれむという心が無(ね)えんだから」「よし、それじゃ、お情けに一つ言って聞かそう...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ故に、思ひ切つた情けは吾々の力の確認を意味する...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「劒の教義」
...それ故、邦語で法律学の全部の講述が出来るようになる日が一日も早く来なければならぬということを感じて、先ず法学通論より始めて、年々一二科目ずつ邦語の講義を増し、明治二十年の頃に至って、始めて用語も大体定まり、不完全ながら諸科目ともに邦語をもって講義をすることが出来るようになったのであった...
穂積陳重 「法窓夜話」
...それ故、僕は、この「齒車」こそ彼の生涯の最大傑作――と言ふよりは、最もオリヂナルな(個性的な)傑作だと斷言するのに躊躇しないのである...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...それ故に概念的知識と物質的世界とは同じ根源のものであつて...
三木清 「認識論」
...それ故かうして東の方へ走れば走る程...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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