...思うに、それより前は、はらからと一緒にいたこともあるのであろうが、当時妾は幼くて記憶を残すほどの力が発達していなかったのだろうし、それ以後は、妾とはらからとが何かの理由で別々のところに引き離されちまって記憶が絶えてしまったのであろう...
海野十三 「三人の双生児」
...それ以後O氏は友達と散歩の途すがら...
薄田泣菫 「茶話」
...それが楠公の像の頃であったが、それ以後、後藤先生は益々颯爽(さっそう)として、独眼竜と称した...
高村光太郎 「回想録」
...それ以後にはついぞ二度とは見たことがなかった...
寺田寅彦 「沓掛より」
...それ以後清は、玄関の三畳に寝ることにしていた...
豊島与志雄 「白血球」
...それ以後は勝手な生き方で生きてみるようにする...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ以後レンブラントの名声は急に低下して行ったと伝えられている...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...……彼岸(ひがん)の中日から以後十日までのあいだは中川の川口、それ以後は、佃(つくだ)と川崎が目当て場になります」「なるほど、くわしいもんだの」「さようでござります」といって、きょろりと空嘯(うそぶ)く...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それ以後文士のカフェでも気まぐれな追放の汽車の席でも愛欲と××の空想の中でも伯父さんはいつも僕の×旗だった!」バイロン卿はM・ボタンの外れ目ほど感動して胸をうって応答した「僕の旗は...
槇村浩 「長詩」
...それ以後御所の人たちが意外な恋としてこの関係を噂(うわさ)した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それ以後の態度で明らかにして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それ以後は宮がお手ずから幼い女王の世話をあそばされた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それ以後は、帰郷しても、直ぐ布佐の兄の所へ報告に行くことはしなくなってしまった...
柳田国男 「故郷七十年」
...わが剣は、乱のために把(と)らず」と、絶縁状を送りつけて、それ以後、ただ山間の孤城に拠り、深く守って、敢て、天下の乱へ出なかった...
吉川英治 「剣の四君子」
...仁和寺の隠れ家へ道誉が訪ねてくれたが、それ以後、恐ろしい彼の執念につきまとわれていることを、告げて、「どうぞ、お助け給わりませ...
吉川英治 「私本太平記」
...それ以後は、村へ来る兵法者について、誰彼となく道を問い、十七歳にして、郷里を出、十八、十九、二十の三ヵ年は故あって学問にのみ心をゆだね、去年一年はただ独り山に籠って、樹木や山霊(さんれい)を師として勉強いたしました...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それ以後彼れの諸論文は主として彼れの議会生活と関係あるものであるが...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...そしてそれ以後は私の前では打つて變つて愼しやかに從順(おとなし)くなつてゐた...
若山牧水 「姉妹」
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