...そよそよと胸を煽(あお)いだ...
泉鏡花 「婦系図」
...涼風(すずかぜ)はそよそよと彼の白髪交りの短い髪の毛を吹き散らしたが...
魯迅 井上紅梅訳 「白光」
...そよそよと吹く潮風...
江戸川乱歩 「大金塊」
...そよそよと風が吹く...
ストックトン Francis Richard Stockton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...東から弱い風がそよそよ吹いている...
太宰治 「正義と微笑」
...ぽっかりと眼を醒ました時には開け放たれた硝子窓の彼方からは美しい夏の朝の陽の光が射し込んで爽やかな風がそよそよとカーテンを弄(もてあそ)び窓の上のカーネーションの葩(はなびら)に戯れて眠り足りた私の頬に心地よく触れていった...
橘外男 「逗子物語」
...そよそよした風に誘われていつかグッスリと...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...林五君に・くもりおもたくつひのわかれか名古屋駅夜もなく昼もない地下室の人々車中うらうらここはどこだらう・おべんたうはおむすびをわけてたべておわかれ春風の汽車が汽車を追ひ抜く・関ヶ原は青葉若葉がせまるとトンネル・琵琶湖(ウミ)はまさに春こまやかなさざなみ・初夏のそよそよコンパクトにほふ暮れゆくビルのたかくも飛ぶは何鳥・街のゆうぐれ猫鳴いて逢ひに来たゆく春の夜の水のんで寝た五月十一日晴――曇...
種田山頭火 「旅日記」
...朝晩はそよそよと...
徳田秋声 「縮図」
...かすかな微風がそよそよと吹いてるきりでしたが...
豊島与志雄 「女と帽子」
...そしてそれに身をうち任していると彼はそよそよと微風が自分の上を流れてゆくのを感じた...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...そよそよと潮みづながれ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...職人 (盆唄をうたう)八賀(はちが)上野(うえの)で、高山みれば、浅黄暖簾が、そよそよと...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...風の音が庭先の竹にとまってそよそよと鳴ったり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...朝風がそよそよ窓から入って来て私の持っているハンカチを弄(もてあそ)んだ...
夢野久作 「暗黒公使」
...関羽の髯をそよそよとなでていた...
吉川英治 「三国志」
...秘壇の燈(ともしび)や紅帋金箋(こうしきんせん)の祭華をもそよそよ吹いた...
吉川英治 「三国志」
...都から来た二人の女性(にょしょう)の客をそよそよ吹いて...
吉川英治 「親鸞」
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