...この年になつてもいまだにその節まわしが耳に残つているところをみると人間の記憶力の気まぐれな選択作用に驚かされる...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...その節を公にしたり...
高木敏雄 「比較神話学」
...その節の馬の鈴と馬子唄の句は...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...これは最も簡単な類型的の一例とさるる弦の振動の場合ならばその節点の数を決定するものであり...
寺田寅彦 「物理学圏外の物理的現象」
...その節はよろしくと...
豊島与志雄 「立枯れ」
...その節、同志の者に逢うて、談合して、国へ戻ってもよし、また――」と、いって、小太郎は、綱手を、じっと見つめて「父上を討った牧仲太郎は、江戸におろうがの」と、聞いた...
直木三十五 「南国太平記」
...けれども、辞退するガラでもないから、直(ただ)ちに承知の旨を答えると、そこへお銀様がやって来て、「御免下さいませ、さきほど、使を以てお願いに上らせましたのを、お聞届け下されて有難う存じます、その節、併せてお願いを致しました通り、少々怪我を致しておるものでございますゆえ、このままで失礼を、おゆるし下さいますように」見れば品のよい令嬢姿の女が、顔にはお高祖頭巾(こそずきん)をかぶったままでの、しとやかな挨拶です...
中里介山 「大菩薩峠」
...その節は又御叮嚀(ていねい)に難有う...
夏目漱石 「それから」
...その節はまことに有難う御座いました」さういへば...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...父の邸(やしき)へ帰ってゆこうといってその節を唄(うた)ったのではない...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...私もその節病後の身で有馬の温泉にも行(いっ)て見たし...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...年々その節約能力が減少するであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...その節し得る粗生生産物の剰余を減少するにつれて...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...その節うちの三田公のくたぶれた着物を縫ふてやらはつたのは...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...内大臣にもやはりその節御足労を願いたいと思うのですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...」「その節はお言葉添えを忝(かたじけの)ういたしました...
室生犀星 「荻吹く歌」
...それでもその節制によって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...十年も年を老(と)った気がした」「その節...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索