...その節、霜のわたくしに申し候は、「お留守居役の衆も手ぬるいことでおりやる...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...その節、生憎(あいにく)少斎は抜け歯を煩(わづら)はれ居り候まま、石見に口上を頼まれ候よし、又石見は立腹の余り、霜をも打ち果すかと見えられ候よし、いづれも霜の物語に御座候...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...この年になつてもいまだにその節まわしが耳に残つているところをみると人間の記憶力の気まぐれな選択作用に驚かされる...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...佗しいから東京に出たいがその節はよろしく頼むこと...
梅崎春生 「狂い凧」
...その節プランク先生は宴會において縷々マツクスウエルの功績を英語で述べられたが 先生の英語演説を聽いたのはこれが初めてであり また終りであつた...
長岡半太郎 「プランク先生の憶い出」
...その節高(ふしだか)な手を取っておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...政府に接すればたちまちその節を屈し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...しかるにその節を屈して政府人造の悪法に従うは...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...その節穴(ふしあな)から明るい外光が洩(も)れて来ながら...
堀辰雄 「美しい村」
...その節彼が道々にポケットよりとり落したる名刺を拾うた者の言に依りますと...
牧野信一 「痴酔記」
...その節はいろいろお世話になりやして...
三好十郎 「樹氷」
...その節が、それまでズーッと断続してきこえて来ている奥からのサンビ歌のメロディに合流して斉唱する形になる)男1 よせよ、おい!男2 くそッ!別の声 (ここからは見えない奥から)おいおい、第三号、やかましいぞッ! 静かにしないと、夕(ゆう)めしを食わせんぞお!(この一言で四人とも、いっぺんにだまりこむ...
三好十郎 「その人を知らず」
...内大臣にもやはりその節御足労を願いたいと思うのですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いろいろその節はごしんせつ樣にして頂いて...
室生犀星 「汽車で逢つた女」
...男はまたおじぎをし「その節はどうも」と口ごもった...
山本周五郎 「花も刀も」
...その節はかすかに軽(かろ)き快き眩暈(めまひ)の中に人と万物を誘ひ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...その節約を心がけていたものだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...なんじゃ、あれは、その節、お祝いの寸志として、貴公へ進呈したものじゃないか」「えっ?」疑う眼を、渋沢は、笑って、その背をどやすように、叩いた...
吉川英治 「松のや露八」
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