...そのたびに、私は、もっと防衛に都合のよい部屋へいかねば安心できないと思ったのです...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...そのたびに、まじんのふうせんは、ぐらっぐらっとゆれるのです...
江戸川乱歩 「赤いカブトムシ」
...そのたびに、男の口から、けだものの咆哮(ほうこう)に似た恐ろしいうめき声がほとばしった...
江戸川乱歩 「影男」
...そして、また、いくども屋根にとりつこうとしましたが、そのたびに、四十面相が、はしごをゆさぶるので、落ちないようにしがみついているのがやっとでした...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...あたし、そのたびに、いそいで顔をはなして、あの人の目の奥をのぞいたけれども、もうわからなかった...
江戸川乱歩 「断崖」
...そしてそのたびに私のけがれた塋穴の十字架に向ってさしのべた瞬間に私の死が私を襲うであろうという事を...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...そのたびに新しいおもしろみとおかしみを感じさせた...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...そして、そのたびに、「誰しも貸して取れないのがあれば、一方には借りて返さないのもあるのさ...
徳田秋声 「黴」
...そのたびに頭をかいたり...
新美南吉 「和太郎さんと牛」
...そのたびに見る見る弱っていく...
久生十蘭 「海豹島」
...錨はそのたびに砂の海底をむしっては帰ってきた...
久生十蘭 「海難記」
...そのたびに立って行って...
久生十蘭 「金狼」
...モオリーはそのたびに当惑したような羞(はに)かんだような...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...そのたびに松岡は股から逆に水を浴びたような気がした...
室生犀星 「三階の家」
...そして、まだキツネのしっぽをしっかりとにぎり、キツネがつかみかかろうとすると、そのたびに、反対がわへグルグルとまわってしまいます...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...そのたびに乱暴をなさるのですか...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...」わがをひやよをさなこよなれが目のさやけき色をたとふれば夕のそらの明星かたわゝに肥えし頬の色は濃染の梅に白ゆきのかゝれる色か唇の深紅の色は汝をばはてなくめづる此をばのま心にしも似たるかなかたことまじり※様と我が名よばるゝそのたびにあゝわがむねに浪ぞ立つ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...彼は、用い馴れた十文字の槍をふるい、目ぼしき敵を三名まで引っかけて突き伏せたが、そのたびに、徒歩(かち)の家来、堤五兵衛、松田又市、柿(かき)権八などを顧みて、「いまの首を取れ」と、いいつけ、自身はなお、寸間の時も惜しんで急追をつづけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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