...その証拠には、日本の女でね、初めは、見るのもけがれのようにいやがっていたものが、贔屓(ひいき)にされてるうちに、だんだんよくなって、よくなって、こっちが熱くなり……」「もう、よせ、それはらしゃめんという奴だろう、日本に生れても、日本人の部じゃないのだ」「らしゃめんなんて、悪口を言うけれど、世話になった女の人に言わせると、異人は情が深くって、実があって、それにお金は糸目なしに本国から来る、宝石や、羅紗(らしゃ)は好きなのが選取(よりど)りに貰える、ほんとうに異人はいい、異人さんに限る……」「してみると、お前なんぞも、そのらしゃめん向きに出来ている一人だろう」と言われて、はしゃぎきっていたお絹が、ふくれ出し、「何をおっしゃる」「お前もひとつ、その情け深くって、実があって、お金は糸目なしに本国から来て、宝石でも、羅紗でも買ってもらえる奴を一人二人、相手にしてみたらどうだ」「いやなことをおっしゃいますねえ」「お前というイカもの食いも、まだ毛唐を食ったことはあるまい」「お気の毒さま……それよりは、そちら様こそ、異人館へ行って、まさか奥さんはお話合いになりますまいが、女中さんのうちの乙なのを一つ、かけ合ってみてごらんになっては……あなたほどの悪食(あくじき)ですから、異人の女を食べたって、あたるようなことはございますまい」「うむ」ここで主膳が、うむと言ったのは、どういう意味かわからないが、挨拶に困っての詞(ことば)だけのものでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...そちら様で……」「買ってやるから...
中里介山 「大菩薩峠」
...こっちにはないぞ」「そちら様にはとにかく...
中里介山 「大菩薩峠」
...そちら様へ届きますように...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そちら様はいかがでいらっしゃいますか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...時々そちら様へお上がりになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そちら様でも勘づいていることと合点したので...
吉川英治 「江戸三国志」
...そちら様は痛くも痒(かゆ)くもないだろうけれど...
吉川英治 「江戸三国志」
...そちら様からどうぞ悪しからず」光明寺の僧は...
吉川英治 「新書太閤記」
...そちら様ですものねえ」「げっ……...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そちら様へ乱入にも及びまするぞ』――この大音声を聞き惚(ほ)れてでもいるかのように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そちら様のご迷惑になるようなことは致しませぬ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...また会う日と時刻は」「そちら様のご都合のよい時……...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そちら様にもご都合がいいかもしれませんね...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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