...それだけに心持のせつなさが想ひやられるふしもあつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...せつなさの心(こゝろ)もすずろ...
薄田淳介 「白羊宮」
...此の一事だけでも半生に亘る彼女の表現し得ない不断のせつなさは想像以上のものであったであろう...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...ヴァイオリンのようなせつなさを感ずるのは...
太宰治 「虚構の春」
...借金のせつなさがうすらぎ...
種田山頭火 「一草庵日記」
...いそいで、ひとりさびしくかへつた、酔ざめのはかなさ、せつなさ、自から責めて自から詑びた!三月廿八日晴...
種田山頭火 「松山日記」
...せつなさうな顔付で起きあがつてくるその様子は...
豊島与志雄 「北極のアムンセン」
...つまり深く切実なせつなさをもって物に対決するこころが...
中井正一 「美学入門」
...やはりせつなさのあまりかしらん...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...墓場の下の祖母上よ、今日はまた力なき私の心によみがへり、私の昔の庭にきて、茂れる青草に水をかけてやつてください、ああ 古く乾からびた木製の椅子、庭の隅にかたむける犬小舍、赤い柘榴の花、祖母上よ、なにゆゑに、なにゆゑに、かくも私の心は悲しいのか、このさめざめとしてはてしなき冬の日のいまはしさ、おそろしさ、せつなさ、寂しさを、墓場の下の祖母上よ...
萩原朔太郎 「よき祖母上に」
...唸(うめ)くようなせつなさで...
北條民雄 「いのちの初夜」
...愛情のせつなさや...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...女心のせつなさに...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...スッカリお打ち明けせねばなりませぬ私のせつなさ...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...女心のせつなさに...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...女の恋のせつなさよ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...そしてそのうちに女の鼻腔(びこう)が昏絶(こんぜつ)のせつなさを洩らしたと思うと...
吉川英治 「新・水滸伝」
...多情多感な青年剣客法月弦之丞の心に秘めている人間苦のせつなさを知る人はないのである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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