...碧瑠璃園(へきるりえん)や徳富蘆花(とくとみろか)のようないい加減な通俗小説をえい方の標準にして俗悪な批評をするものが多いから」「どうもすみません」猫八はすました顔でちょッと頭を下げたので...
岩野泡鳴 「猫八」
...とりすました顔でその中に交(まじ)っていた...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...すました顔で泊まり込みました...
豊島与志雄 「泥坊」
...」千代はすました顔で...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...後ろから斬りかけて来た時は背中で受けまさあ」とすました顔でいったことです...
中里介山 「大菩薩峠」
...ある時、親爺が忰(せがれ)に向って、忰や、いま向うを通ったのは八百屋の伝兵衛さんではないか、とたずねたところが、その忰が言うことには、なあに、お父さん、あれは八百屋の伝兵衛さんですよ、それを親爺が受取って、すました顔で、そうか、おれはまた八百屋の伝兵衛さんかと思った――という小噺(こばなし)を、この際道庵が思い出したから、それで不意に高らかに笑いを発したので、まあまあ、おたがいの勘違いのままで任せておいてみろ、宜(よろ)しきに引廻してくれるだろう、という気になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...金巾(かなきん)のしゃつに越中褌(えっちゅうふんどし)で雨上りの水溜りの中でうんうん唸(うな)って……」「それを君がすました顔で写生するんだから苛(ひど)い...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ここには本能的な偽善者がすました顔で控えている...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...「えろ遅そなってしもて」なんてすました顔でやって来たのはいいんだけど...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...すました顔でやって来たのはいいんだけど...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...山チイがコオジイの褥椅子に掛けてすました顔で本を読んでいた...
久生十蘭 「だいこん」
...モオリーはすました顔で...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...すました顔で聞きかえした...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...私はすました顔で...
平山千代子 「ハナとタマシヒ」
...そしてすました顔でいつた...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...いやなものはいやなんですもの」こう云って文代はすました顔で菓子を摘んだ...
山本周五郎 「めおと蝶」
...釘勘はすました顔で...
吉川英治 「江戸三国志」
...クロの野郎(やろう)め、おいらがあんなにかあいがってやるのに、よくも恩人をこんな目にあわせやがッたな、アア痛(いた)、痛(いた)、痛(いた)、畜生(ちくしょう)畜生、どうするか覚えていろ!」腰骨をさすりながら、ふと後ろをふりかえって見ると、なんとにくいやつ、すぐじぶんのそばに、すました顔で、翼(つばさ)をやすめているではないか...
吉川英治 「神州天馬侠」
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