...碧瑠璃園(へきるりえん)や徳富蘆花(とくとみろか)のようないい加減な通俗小説をえい方の標準にして俗悪な批評をするものが多いから」「どうもすみません」猫八はすました顔でちょッと頭を下げたので...
岩野泡鳴 「猫八」
...とりすました顔でその中に交(まじ)っていた...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...なにをまごまごしてるの」小厮はすました顔をしていた...
田中貢太郎 「春心」
...すました顔をして甚九郎の家へ来た...
田中貢太郎 「山姑の怪」
...フンと言つてすました顔をして...
田山録弥 「現代と旋廻軸」
...後ろから斬りかけて来た時は背中で受けまさあ」とすました顔でいったことです...
中里介山 「大菩薩峠」
...金巾(かなきん)のしゃつに越中褌(えっちゅうふんどし)で雨上りの水溜りの中でうんうん唸(うな)って……」「それを君がすました顔で写生するんだから苛(ひど)い...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あんなすました顔をしているけれど...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ここには本能的な偽善者がすました顔で控えている...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...なにしろ、初午は魔日(まび)ですからな、ふッふ」庄兵衛は、地団太を踏んで、「うるさい、黙っておれというに」顎十郎は、すました顔で、「まあ、そう怒っても仕様がない……時に、叔父上、あなたが印籠を探していられるってことは、実は、私も知っているんです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「お役目、ご苦労」顎十郎、すました顔で、おほん、と咳ばらいで受けて、「さっそくですが、三万二千両……御用金が差しおくりになることは、よほど以前からわかっていたのですか」年寄役は慇懃(いんぎん)にうなずいて、「さようでございます...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「えろ遅そなってしもて」なんてすました顔でやって来たのはいいんだけど...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...乙にすました顔をしてまたぞろ〈那覇〉へとってかえす...
久生十蘭 「金狼」
...モオリーはすました顔で...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...すました顔で聞きかえした...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...すました顔をしているだろう...
山本周五郎 「風流太平記」
...すました顔していても...
吉川英治 「小説のタネ」
...院長さんとは少しも存じませんでした」と、すました顔...
吉川英治 「新・水滸伝」
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