...連峰の肩に鮮かに生い立った老松の影をなつかしいものの限りに見詰めさせたりする...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...新酒をおあがりになる御殿に生い立つている廣葉の清らかな椿の樹...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...生い立ちと環境私は田舎のいわゆる金持ちと云われる家に生れました...
太宰治 「わが半生を語る」
...それがみんな元気よく生い立って...
寺田寅彦 「柿の種」
...君の生い立ちの記などに...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...「生い立ちの記を夢中になって書いていまして...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...それでも弟が少し生い立って来ると...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...健気(けなげ)に生い立った阿蒙(あもう)の変りかたではない...
夏目漱石 「虞美人草」
...お富は美しく清らかに生い立ちました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わが生い立ち私はかつて「帝国大学新聞」にこんな事を書いた事があります...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...広く一国民の生い立ちを明らめんには...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...同じ伝説に生い立った昔を想い廻らすことがあるではないか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...その社の整理係の連中に知れないように、精巧な写真機を担(かつ)ぎ込んで、その紙面ばかりでなく、私の生い立ちや、脱獄の記事を満載した紙面までも残らず複写して、一直線に北海道に帰って来ましたAは、その後の私の動静を、詳細に亙(わた)って探りまわった序(ついで)に、二人の間に愛の結晶が出来かけている事実まで、透(す)かさずキャッチしてしまいますと、なおも最後的な脅迫材料を掴むべく、もう一度、極(ごく)秘密の裡(うち)に、石狩川の上流を探検に出かけたものです...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...古参な点や、帷幕(いばく)の席順からいえば、秀吉のほうに、彼より一日の長があったが、他の宿将と同じように、光秀の心裡(しんり)にも、家格とか、生い立ちとか、教養とか、いうものを偏重(へんちょう)する考えはやはり潜在していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...生い立ちの置き所によれば...
吉川英治 「親鸞」
...うすうす彼の生い立ちを知って...
吉川英治 「親鸞」
...お綱の生い立ちや...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...文芸春秋誌上で母の生い立ちにちょっと触れたさい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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