...」と半纏の襟を扱(しご)きながら、お蔦が襖(ふすま)から、すっと出て、英吉の肩へ手を載せると、蹌踉(よろ)けるように振向く処を、入違いに床の間を背負(しょ)って、花を庇(かば)って膝をついて、「厭ですよ、私が活けたのが台なしになります...
泉鏡花 「婦系図」
...――鍵をすっと取り出して...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...あいつはすっと店の中へ入ってしまったので...
太宰治 「女の決闘」
...すっと刄が通る――何処までも深く通ってゆく...
豊島与志雄 「蠱惑」
...湖水の中にすっとはいってゆけば...
豊島与志雄 「山上湖」
...すっと糸を引いたように二つに割れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ホホホホ」唇の動く間から前歯の角(かど)を彩(いろ)どる金の筋がすっと外界に映(うつ)る...
夏目漱石 「虞美人草」
...すっと立ちあがると...
久生十蘭 「金狼」
...盗人(ぬすっと)...
火野葦平 「花と龍」
...一寸御免なさい」すっと教室へ入って来て...
宮本百合子 「「うどんくい」」
...盗人(ぬすっと)の妻までを...
柳田国男 「木綿以前の事」
...すっと白刃が出て...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...ぬすっとの汚名をきせられ...
山本周五郎 「さぶ」
...六郎兵衛はすっと爪先だちになり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...七十郎の躰はかれらのあいだをすっすっとぬけるように見え...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...すっと障子があいた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...」東野は笑いながらすっと立ったかと思うとそのまま飄然と外へ出ていってしまった...
横光利一 「旅愁」
...盗人(ぬすっと)の昼寝というやつ...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索