...酒に弱い由平は一本ですっかり酔って床の中へ入った...
田中貢太郎 「阿芳の怨霊」
...私はすっかり幻滅の悲哀に浸って...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...……そのうちに空がすっかり曇って...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...もうすっかり癇癪を起こしてしまって...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...家はすっかり闇に包まれていたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...すっかり討ち取った...
トルストイ Tolstoi 菊池寛訳 「イワンの馬鹿」
...すっかり古式でやるのだそうでござんす」「いや婚礼というものは...
中里介山 「大菩薩峠」
...江戸はすっかり青葉と鰹(かつお)とほととぎすの季節になり切った頃...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...平次とすっかり融和しているようでも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ベルナアルさんがつまらないおしゃべりをしたために何もかもすっかり駄目にしてしまったのでした...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...壁まですっかり杉皮が張りつめられてあって...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...思い切って自分自身を何物かにすっかり投げ出す決心をしたのだ...
堀辰雄 「菜穂子」
...空はすっかり曇っていた...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...黄色な山肌をすっかり現わしていた...
矢田津世子 「凍雲」
...そんなものをすっかり見まわしてから私は静かに眼をあげて女の顔を見た……が……意外な事を発見して思わずたじたじと後退りをした...
夢野久作 「暗黒公使」
...すっかり胸襟(きょうきん)をひらいて...
吉川英治 「新書太閤記」
...安土から携(たずさ)えて来た手許の軍用金はすっかりなくなってしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのうち閑(ひま)を得てすっかり書きなおそうといく度か考えたことがある...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??