...地球人類の命をすくう法はないものであろうか...
海野十三 「火星兵団」
...アメリカ人をすくうためにやっているのだろうか」「それはよくわかりませんが...
海野十三 「第五氷河期」
...その小舟は富豪の尹(いん)翁というのが溺れる者をすくうために設けてあるものであった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「庚娘」
...しかしそんなことよりも見も知らぬ人のまえでこんな工合(ぐあい)に気やすくうたい出してうたうと直(す)ぐにその謡(うた)っているものの世界へ己(おの)れを没入させてしまい何の雑念にも煩(わずら)わされないといった風な飄逸(ひょういつ)な心境がきいているうちに自然とこちらへのりうつるので...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...沙魚は釣れなかつたが蝦をすくうた...
種田山頭火 「其中日記」
...風から生れたかとも想われるような――彼等がその上をすくうようにして飛んでいる波と同じように...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...おぢさんが又昨日も澤山とつて來て池に一杯入れておいたからいくらでもすくうて持つておいで』の意を土佐の方言で會話の後...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...少し荒っぽい方では泥鰌(どじょう)をすくう...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...たやすくうかんでくるものではない...
新美南吉 「耳」
...目高をすくうような網か...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...そしてそのたびに柄杓(ひしゃく)が水をすくうように...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...我々が囲炉裏(いろり)の炭火をすくう道具...
柳田国男 「木綿以前の事」
...すくうて天井へ上げようとした...
夢野久作 「近世快人伝」
...純一な芸道教育にまで徹底し得なかった消息がたやすくうかがわれる...
夢野久作 「能とは何か」
...かれをすくう方法(ほうほう)もぜったいにない...
吉川英治 「神州天馬侠」
...万民の塗炭(とたん)をすくうもの...
吉川英治 「新書太閤記」
...この青年をすくうて取らす力がない...
吉川英治 「親鸞」
...日本の民衆苦をすくう真(まこと)の弥陀光(みだこう)がつつまれているかと思うと四郎高綱は...
吉川英治 「親鸞」
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