...――私は昔自分の作つた歌をゆくりなく旅先で聴く様な気がした...
石川啄木 「氷屋の旗」
...はてしなき議論の後の疲れたる心を抱き、同志の中の誰彼(たれかれ)の心弱さを憎みつつ、ただひとり、雨の夜の町を帰り来れば、ゆくりなく、かの呼子の笛が思ひ出されたり...
石川啄木 「詩」
...困ったものだと次の方針を考えているとき、ゆくりなくも、そこに地階に下りる階段が開いているのに気がついた...
海野十三 「地球盗難」
...彼はゆくりなくも重大なる事柄を思い出した...
海野十三 「東京要塞」
...ゆくりなく初日から示したのであった...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...ゆくりなく久保君の身のうえと...
太宰治 「狂言の神」
...ゆくりなく時雄が訪問すると...
田山花袋 「蒲団」
...もとの右大臣の御靈がゆくりなく京のひとりの少女子に憑いて...
田山花袋 「道綱の母」
...○談話がゆくりなく目に見る花よりも口にする団子の方に転じた...
永井荷風 「葛飾土産」
...ゆくりなくもそこにショパンを迎え...
野村胡堂 「楽聖物語」
...ゆくりなくも私は板敷山の宵道をただ一人で降り坂にとりかかった...
服部之総 「加波山」
...ゆくりなくもダフウトにめぐり会った...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「髪あかきダフウト」
......
三好達治 「艸千里」
...ゆくりなくも障子越しに聞えて来た...
夢野久作 「冗談に殺す」
......
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...ゆくりなくも趙子龍に出会って...
吉川英治 「三国志」
...彼女はゆくりなくも...
吉川英治 「神州天馬侠」
...ゆくりなく、恋人の祖先に巡(めぐ)り会ったような心地がする...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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