...さもなければ私(わたくし)などはまだなかなか済(すく)われる女性(じょせい)ではなかったかも知(し)れませぬ……...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...世を済(すく)う術数である...
有島武郎 「二つの道」
...すくなくとも五万年ぐらい前の人骨だ...
海野十三 「三十年後の世界」
...からだがすくんでしまったのです...
江戸川乱歩 「探偵少年」
...夫は、あらわれませんでしたが、夫の昔からの知合いの出版のほうの方で、時たま私のところへ生活費をとどけて下さった矢島さんが、その同業のお方らしい、やはり矢島さんくらいの四十年配のお方と二人でお見えになり、お酒を飲みながら、お二人で声高く、大谷の女房がこんなところで働いているのは、よろしくないとか、よろしいとか、半分は冗談みたいに言い合い、私は笑いながら、「その奥さんは、どこにいらっしゃるの?」とたずねますと、矢島さんは、「どこにいるのか知りませんがね、すくなくとも、椿屋のさっちゃんよりは、上品で綺麗だ」と言いますので、「やけるわね...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...そして落ち着かぬ様子で座に着いてもしばらくは言葉尠(すくな)に眼ばかり光らせているのであったが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...猶更甘えやすくするのだった...
豊島与志雄 「死の前後」
...脂肪質で蒼(あお)ざめ、怒りやすく、狡猾(こうかつ)で、理屈っぽく、幻覚にとらわれてる、その強健なデンマーク人を、女――しかも女でもないのだ、男に扮(ふん)する女は怪物にすぎない――それになしてしまうとは? ハムレットを、宦官(かんがん)になし、もしくは曖昧(あいまい)な両性人物になすとは! そういう嫌悪(けんお)すべきばかばかしさが、ただ一日でも口笛を吹かれずに寛容されるとは、だらけ切った時代というのほかはなく、愚昧(ぐまい)きわまる批評界というのほかはないのだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どんな教説をもたやすく受け入れるか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...物に順応しやすく頑固でないことである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...二戸(にのへ)郡の荒沢から荒屋新町にかけて漆(うるし)の業に従うものが少(すくな)くありません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...御汁といっても煤臭(すすくさ)いようで...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...その手をすくい取って握りしめると...
吉川英治 「江戸三国志」
...尠(すく)なくもきょうまでは...
吉川英治 「銀河まつり」
...ちょうど水中の月を掬(すく)おうとするようなものだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ようやく倦(う)み疲(つか)れやすくなっている士気に対して...
吉川英治 「新書太閤記」
...みがき立てた金壁に気もすくみ...
吉川英治 「新書太閤記」
...尠(すくな)くもいきなり行って勝負にかかるよりは...
吉川英治 「宮本武蔵」
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