...この水のじくじくした沼の岸にたたずんでひとりでツルゲーネフの森の旅を考えた...
芥川龍之介 「日光小品」
...忸怩(じくじ)と顔を赧(あか)らめた...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...私は内心まことに忸怩(じくじ)たるものがあるのであります...
高神覚昇 「般若心経講義」
......
高見順 「死の淵より」
...省みて忸怩(じくじ)とした...
辰野隆 「感傷主義」
...渣滓(おり)の滲み込んでいるじくじくした樽の破片にかじりついて...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...じくじくと水づき...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...じくじく湧(わ)いたものを...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...そのとき指と指とのあひだに生ぐさい液体がじくじくと流れてゐるのをかんじた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...泪(なみだ)をじくじくこぼし...
林芙美子 「清貧の書」
...モダン文化のネオン燦然たる前には百年変らざる伝統の世話講談を繰り返している自分に忸怩(じくじ)たるものをおぼえ...
正岡容 「我が圓朝研究」
...じくじくぬれた着物がこおりついたまま歩いて行った...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...池水がじくじく蹠(あしのうら)に沁(し)みてそりゃ冷たいんですて...
室生犀星 「不思議な国の話」
...忸怩(じくじ)たるものがあった...
森鴎外 「カズイスチカ」
...じくじく色を淡赤く変えつつ浮き出て来た...
横光利一 「上海」
...世界中がじくじく腐って来たのだ...
横光利一 「旅愁」
...かつてない反抗的な血がじくじくと骨の髄(ずい)から吹き出して来るのを覚えた...
吉川英治 「剣難女難」
...その前方には悪夢めいた暗い虹色の可塑的な円柱が腐臭をまき散らしつつ直径五メートル(*38)の膿瘻いっぱいにじくじくと広がり不浄なる速度を加え進路上には再び募り行く青白い深淵の蒸気が螺旋を巻いていたのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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