...近いうちに静かな処で一度会を開きたいとおもつてゐますが集まつて頂けるでせうかお茶でも飲んでしんみりと皆でお話したいと思ひます...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年四月号)」
...お鳥が自分にまだしんみりと親しんで來ないのが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...しんみりといわれますと...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...しんみりと落付いた室で...
豊島与志雄 「椎の木」
...捨鉢にしんみりとなって...
豊島与志雄 「聖女人像」
...唯しんみりと黄昏(たそが)れて行く雪の日の空に似てゐる...
永井荷風 「雪の日」
...しんみりと浸っていた者は...
中里介山 「大菩薩峠」
...後(あと)で厄介(やくかい)に成(な)らなくちや成(な)らないんだから子供(こども)の面倒(めんだう)は見(み)ないな間違(まちがひ)だよ」内儀(かみ)さんは勵(はげま)すやうにさうしてしんみりといつた...
長塚節 「土」
...庭(には)の木陰(こかげ)に身(み)を避(さ)けてしんみりと互(たがひ)の胸(むね)を反覆(くりかへ)す時(とき)繁茂(はんも)した(かき)や栗(くり)の木(き)は彼等(かれら)が唯(ゆゐ)一の味方(みかた)で月夜(つきよ)でさへ深(ふか)い陰翳(かげ)が安全(あんぜん)に彼等(かれら)を包(つゝ)む...
長塚節 「土」
...三味線(さみせん)の撥(ばち)が一度(ど)絃(いと)に觸(ふ)れるとしんみりとした座敷(ざしき)が急(きふ)に勢(いきほ)ひづいてランプの光(ひかり)が俄(にはか)に明(あか)るいやうに成(な)つた...
長塚節 「土」
...平次は妙にしんみりとしてしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
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萩原朔太郎 「青猫」
...しんみりと聞き耽(ふ)けっていたのが...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...男が頼りね」しんみりと述懐するお京の眼に...
火野葦平 「花と龍」
...妙にしんみりとして来たが...
火野葦平 「糞尿譚」
...この程久しく打(うち)たえておったので、こなたからお訪ねしようとしていた折柄――まず、それへ」「それならお邪魔いたすとしよう」片里と呼ばれた客人は、召使のすすめる蒲団(ふとん)に座をしめながら、開けひらいた障子から、しんみりとして、その癖緑が大そうあざやかな庭の面(おもて)に目をあそばせるのでした...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...要するに以前の笑いの文学には全然見られなかったしんみりとした常人の感情...
柳田国男 「木綿以前の事」
...酒もしんみりとして...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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