...しんみりとさえしている...
石川欣一 「可愛い山」
...――ヤキ宿で死んでいつた人の話はみんなをしんみりさせた...
種田山頭火 「行乞記」
...さういふ私を気の毒と思つてだらう、樹明兄が乏しい弗入から五十銭玉一つをおいていつた、ありがたしとばかり、すぐ駅通りまで出かけて、焼酎と豆腐とを買うて戻つて、ゆつくり、しんみり、やりました、うまかつた、ありがたかつた、酔うた、酔うた、いつとなく前後不覚になつてしまつた...
種田山頭火 「其中日記」
...私はしん/\とふりしきる雪にしんみりと立つてゐる山の雪景色に見惚れた...
種田山頭火 「其中日記」
...しんみりと朝日を浴びてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...しんみり飲んでゐると...
種田山頭火 「其中日記」
...しんみりしたような話し声が時々聞えるかと思うと...
徳田秋声 「黴」
...一人の青年はしんみりと「先生...
中井正一 「実践について」
...駒井はしんみりと...
中里介山 「大菩薩峠」
...しんみりしてきた時...
中里介山 「大菩薩峠」
...「俺(お)らもこんで嚊(かゝあ)に死(し)なれた當座(たうざ)にや此(こ)れも役(やく)に立(た)たねえから泣(な)きぬいたよ」勘次(かんじ)は俄(にはか)にしんみりとしていつた...
長塚節 「土」
...兄貴か友達と思って話してくれ」「…………」平次の言葉は急にしんみりしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しんみりとした調子で言いました...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...大川端の場、棒縞(ぼうじま)の糸織(いとおり)の一枚小袖、御納戸(おなんど)博多の帯一本差し、尻端折(しりはしょ)り雪駄ばきにて、白縮緬のさがりを見せ、腕組をしながら出て、花道の附(つけ)ぎはにとまり「金がかたきの世の中とはよく云つたことだなあ」と云ふ白(せりふ)、しんみりとせり...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...しんみりしたいといふ願が潛んでゐた...
水野仙子 「道」
...しんみり飮み度いんだ...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...私に同情してあなたは仮に恋人の口ぶりでものを言っていてくだすったらいいのだ」と出がけに源氏はしんみりと言うのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しんみりそうはいったものの紛れ射す月の光に...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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