...しめやかな心になってアグネスを見た...
有島武郎 「クララの出家」
...男も女もしめやかな恋を抱いて歩いてる様に見える...
石川啄木 「札幌」
...わらひのひらめきあのしめやかなうれひにとざされた顔のなかから...
大手拓次 「藍色の蟇」
...――しめやかなうれしさがからだいつぱいになつた...
種田山頭火 「其中日記」
...掘りつゞけてゐる泥蓮・風をあるいてきて新酒いつぱい・寺があつて墓があつて梅の花風が出てきて冬が逃げる雲の一ひら二ひら・水底しめやかな岩がある雲のふかいかげ・ちかみちは春めく林の枯枝をひらうてもどる・夜あけの葉が鳴る風がはいつてくる明日から...
種田山頭火 「其中日記」
...しめやかな一日だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...まことにしめやかな会合ではあつた...
種田山頭火 「其中日記」
...部屋にはしめやかな不安の空気が漲(みなぎ)っていた...
徳田秋声 「黴」
...このしめやかな、云ふに云はれぬ肉と心との官覺は、目にも見えず耳にも聞えないものにまで、明かに秋らしい色調を帶びさせて來る...
永井荷風 「蟲の聲」
...珍らしくしめやかな会合でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...極めてしめやかな話しぶりです...
中里介山 「大菩薩峠」
...光太郎はふと十月二日の巴里のレ・モール(死者の日)のしめやかなようすを思いだした...
久生十蘭 「黄泉から」
...種々しめやかなる話しも出で...
福田英子 「妾の半生涯」
...仄かな草の匂ひやしめやかな木立の薫りや眼には見えない虫の気配のある中を静かに樹蔭を歩いてゆくと時どきあちらにもこちらにも噴水が見えて...
三好達治 「測量船拾遺」
...様子にしめやかな艶(えん)なところがあって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...やや深く積もった雪が星の光にほのめいている夜であって「春の夜の闇(やみ)はあやなし梅の花色こそ見えね香(か)やはかくるる」薫(かおる)の身からこんな気が放たれるような時「衣かたしきこよひもや」(われを待つらん宇治の橋姫)と口ずさんでいるのがしめやかな世界へ人を誘う力があった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...雨などの降ってしめやかな夜に僧都は夜居の役を承った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しめやかな夜(よる)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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