...このしめっぽい空井戸(からいど)の底みたいな中で...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...命からがらのがれた後のしめっぽい思出なんか...
海野十三 「爆薬の花籠」
...このしめっぽい季節は禁物だったのです...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...冷たいしめっぽい風が枝葉に音をさして吹いてきた...
田中貢太郎 「太虚司法伝」
...しめっぽい匂いのする幌(ほろ)の上へ...
谷崎潤一郎 「秘密」
...しめっぽい六月の空の下に...
徳田秋声 「あらくれ」
...わたしの好きで好きでたまらなかったあのしめっぽい落葉(おちば)のにおい...
フョードル・ドストエフスキー 神西清訳 「百姓マレイ」
...しめっぽい濡れきった音なのである...
豊島与志雄 「録音集」
...土のしめっぽい香(かおり)や...
新美南吉 「花をうめる」
...港から吹いて来るしめっぽい東風が...
火野葦平 「花と龍」
...『十分間で僕がこんなにひどくくたびれるんだから、千年の間もこうやっていた彼は、どんなにくたびれたことか、思いやられる!』おう、可愛い小さな君達よ、君達には、われわれの頭の上に、あんなにやんわりと、軽そうに見えているあの青空がどんなに重いものか、見当もつかないでしょう! それにまた、吹荒(ふきすさ)ぶ風、冷(ひ)いやりとした、しめっぽい雲、焼けつくような太陽、といったようなものが、交代でハーキュリーズを苦しめるのだから、たまりません! 彼は、巨人がもう帰って来ないのではないかと心配になって来ました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
......
槇本楠郎 「さらわれた兄よ」
...そのしめっぽい処に菖や著莪がぐちゃぐちゃと咲いているということが...
正岡子規 「初夢」
...しめっぽい構内に眼をやりながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...しめっぽい匂いがムウと来る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...しめっぽい埃(ほこり)くさい...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...永久に日光が射し込まない奥のゴザ一枚はいつもジットリ穢れでしめっぽい監房の中を歩きながら指を折って日を数えた...
宮本百合子 「刻々」
...……こんなふうなしめっぽい感想がうかんだからであった...
山本周五郎 「雨あがる」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??