...としばらく熟(じっ)と視(み)ていたが...
泉鏡花 「絵本の春」
...しばらくすると大きな羽音をさせて又べつの柱にゆく...
高村光太郎 「山の雪」
...かれはしばらく立っていた...
田山花袋 「田舎教師」
...しばらく黙っていた後...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しばらく続けていると漸次上空の霧まで霽れるわけである...
中谷宇吉郎 「霧を消す話」
...しばらく歩いたあと...
新美南吉 「名なし指物語」
...呼んできましょうか」「…………」ほんのしばらくの間...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それから、しばらくの間、二人はどちらからも何んとも云い出さずに、無言の儘窓の外の雪景色を見下ろしていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...わたしはしばらくつなを牛の角に巻(ま)きつけて...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...しばらくすると彼は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...」しばらくは、とぎれとぎれのなぐさめの言葉や、助け合うという誓いの言葉や、神さまの加護を信ずる言葉にまじるすすり泣きの声のほかに、部屋にはなんのもの音もしませんでした...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...しばらくして一匹のウナギがフラフラになって浮かび上がった...
武者金吉 「地震なまず」
...源氏はそれからしばらく寝て八時ごろに起きた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...女房たちはくやしい気になってしばらく寝入ったふうをしていてやっとあとに格子をお上げした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しばらく目をつぶってから...
室生犀星 「あじゃり」
...お綱はしばらく梯子(はしご)の下にたたずんでいたが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...濶葉樹(かつようじゅ)の大木が道の空(あき)まで茂り合っている辻の曲り角までその一騎が来かかった時、つと木陰から往来へ躍り出て、「しばらく」と、その駒の口輪をつかんだ男があった...
吉川英治 「源頼朝」
...しばらく彼の意のままに措(お)いて...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索