...陰気な客間(ザラ)は少時(しばらく)の間...
芥川龍之介 「山鴫」
...暫時(しばらく)して彼方(かなた)より...
巌谷小波 「こがね丸」
...しばらくだまっていましたが...
江戸川乱歩 「天空の魔人」
...しばらく考えていた...
近松秋江 「狂乱」
...またこの先きどうなるのであろう? と思っているもののようにしばらく黙っていた...
近松秋江 「雪の日」
...ゆがみて蓋(ふた)のあわぬ半櫃(はんびつ)凡兆(ぼんちょう)草庵(そうあん)にしばらくいては打ちやぶり芭蕉(ばしょう)(昭和七年五月...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...お袋はしばらくぶりで帰って来た爺さんと...
徳田秋声 「足迹」
...しばらく彼女に望みをかけていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...師父(しふ)が道ばたの松の樹の下でしばらく憩(いこ)うておられる間...
中島敦 「悟浄歎異」
...しばらく我慢して吸はせてやらう...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...しばらくは悲歎と混乱の渦で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...姉妹はしばらく無言だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...「金柑の実も、移り住んだ時には真っ青だったのが、しばらく、仄かな黄色に熟れてきた...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...しばらくして老女はきッと思いついた体で傍の匕首(あいくち)を手に取り上げ...
山田美妙 「武蔵野」
...どうしようかの、玄堂」「弱り入った次第でござります」「おやじの中将へ申し遣(つか)わして引取らそうか」「なかなかそんなお計らいで自由になるお方ではございますまい」「それも、そうか」と、涼朝(すけとも)は考え込んで、「では、たれぞ重役どもを迎えにやろう」「御城内へお連れ申し上げますか」「いやいや、ああいう放埒者(ほうらつもの)に、ここまでやって来られてはかなわん、重役どもの屋敷に一時とめておいて、わざと、慇懃鄭重(いんぎんていちょう)に扱っておけば、そのうちに窮屈がって、向うから逃げ出すじゃろう」「御名案」「早速に呼べ」「どなた様に、この御大役をお願いいたしましょうや?」「そうじゃの、万太郎の窮屈がるような者といえば……ウム、家老の曾根権太夫(そねごんだゆう)、あれを遣(や)ろう、あれを迎えにやって、しばらくの間、曾根の屋敷で預かって置くように申すがよい」お扶持(ふち)医者の小川玄堂は、その足で直ぐに、城下の上屋敷に老臣の曾根権太夫を訪れていました...
吉川英治 「江戸三国志」
...この態(てい)に、嘉平はしばらく、狐にツマまれたような顔をしたが、若党仲間たちへ、何事かささやいて、かれはお縫ひとりへ、あらゆる宥(いたわ)りをかけた...
吉川英治 「大岡越前」
...しかしここにはしばらく語るべき事件もない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...しばらくは畑や道のない草むらを急いだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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