...そのじくや葉のしなやかなことといったら...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「人魚のひいさま」
...粗膚(あらはだ)の蓬起皮(ふくだみがは)のしなやかに飢(うゑ)にや狂ふ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...(どうしてあの時おれたちはしんとしてしまったのだろうな)彼はその時白木のしなやかな指が...
梅崎春生 「黄色い日日」
...しなやかに伸びた四肢(しし)を洗いはじめた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...うぐひす色のしなやかな紙鑢(かみやすり)にかけて...
大手拓次 「藍色の蟇」
...それは女の肉体の動作が柔らかくしなやかで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...おかっぱの、しなやかな髪...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...肩がしなやかにこけて...
豊島与志雄 「月明」
...布団のしなやかな柔かみ...
豊島与志雄 「孤独者の愛」
...しなやかな手先の曲線を無数に空中に描き出し...
豊島与志雄 「立枯れ」
...しなやかな背中をこちらへ向け...
久生十蘭 「海豹島」
...兄弟(ブリューデル)シュリーマンの蛇のようにしなやかな白い指の下から流れつづけていた...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...やがて女の児がつれ去られ泣きつかれた男の児はそのあとへ這い込む九歳のしなやかな日やけ色の手脚をまるめて名もなつかしいおじいさん椅子(グランドファザーチェア)はおだやかに 大きく黄ばんだ朽葉色気持の和むなきじゃくりとミシンの音は夢にとけ入り時計はチクタクを刻むとなりの子供はみんな出払った休日(やすみび)の宵...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...海はあの子がしなやかにきめこまかな体の線を張って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しなやかな身体(からだ)をくねくねという恰好にくねらせた...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...見違えるほどのしなやかな美しさだった...
横光利一 「旅愁」
...幅の広い父親の肩をしなやかな指でもみ初めました...
吉川英治 「江戸三国志」
...その流動する眼や、ふっくりと持ち上がった頬や、しなやかな頸や、――それはいや応なしに眼にはいって来ます...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
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