...解けてはまた搦(から)みついてきた女のしなやかな指が...
海野十三 「蠅男」
...しなやかな体をもたせかけようとする...
薄田泣菫 「独楽園」
...両脚がしなやかに伸びて草花の茎のようで...
太宰治 「虚構の春」
...細くしなやかで、オコジョの足に長細い鼻、そしてその真っ赤な目は動物の頭にあるとは思えないほどだった...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...子供は母親よりもしなやかでない老人の手を嫌った...
徳田秋声 「黴」
...細いしなやかな指先を...
豊島与志雄 「理想の女」
...身体(からだ)が鹿のようにしなやかである...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...――あの手の美しいといふことは」「――」「細くてしなやかで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのしなやかな帽子の縁(へり)が...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...みんな美しく見えた、背がたかく、ほっそりと、しなやかで、月光のなかをあちこち動いていた、しなの樹の葉のようにうす青い緑で、和らかに光って、かがやく眼と土のような茶色の柔らかい髪とを持って...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...綾小路は背をあぶるように、煖炉に太った体を近づけて、両手を腰のうしろに廻して、少し前屈みになって立ち、秀麿はその二三歩前に、痩せた、しなやかな体を、まだこれから延びようとする今年竹(ことしだけ)のように、真っ直にして立ち、二人は目と目を見合わせて、良(やや)久しく黙っている...
森鴎外 「かのように」
...ある者は楚々(そそ)としてしなやかなのを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「およし可哀そうに」娘はしなやかに身を屈(かが)めて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...シナは要するにこの樹皮が強靱(きょうじん)で且つしなやかであるがための名で...
柳田国男 「木綿以前の事」
...しなやかに身をくねらせて云うんだ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...青んじた襟足でしなやかに一つうなずいて見せながら...
夢野久作 「女坑主」
...あの飛び立つところのしなやかさはどうだ...
横光利一 「旅愁」
...幅の広い父親の肩をしなやかな指でもみ初めました...
吉川英治 「江戸三国志」
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