...その興奮してぶるぶる震えるしなやかな手を葉子は手欄(てすり)ごとじっと押えた...
有島武郎 「或る女」
...しなやかなる振をなせり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...空中曲芸師のようにしなやかで敏捷(びんしょう)なだんだら染めの美しいからだが...
江戸川乱歩 「影男」
...両脚がしなやかに伸びて草花の茎のようで...
太宰治 「虚構の春」
...女は十七八のしなやかな姿をしていた...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...しなやかであったから...
小泉八雲 田部隆次訳 「おかめのはなし」
...胸から腰のまわりへかけて肌を犇(ひし)と緊めつけた衣の下にはしなやかな筋肉の微動するのが見えて居る...
谷崎潤一郎 「少年」
...子供は母親よりもしなやかでない老人の手を嫌った...
徳田秋声 「黴」
...稀(まれ)にはしなやかな小さな十六盤橋(そろばんばし)を見せて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...おかっぱの、しなやかな髪...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...丈夫なしなやかな体躯(たいく)の彼女は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お清はしなやかな指先で前髪の後れ毛を撫で上げながら...
豊島与志雄 「人の国」
...絹障(きぬざわり)のしなやかに...
夏目漱石 「虞美人草」
...落ち着いてしなやかに足を運びながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...弱さ、しなやかさ、それは或魅力かもしれないけれども、十分足りているみのつまった、力のこもった美とは云えない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...秋刀魚の骨は細くしなやかで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しなやかというか...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...唐草模様に似たしなやかな軽快さで...
横光利一 「旅愁」
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