...齢(とし)の若さ、姿のしなやかさ、境遇のゆたかさ、才能のはなやかさというようなものをたよりにする男たちの蠱惑(こわく)の力は、事務長の前では吹けば飛ぶ塵(ちり)のごとく対照された...
有島武郎 「或る女」
...しなやかな長い腕の動きが...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...折れにくい木はしなやかな小枝のように撓み伏し...
知里真志保 「アイヌ語のおもしろさ」
...サファイアの指輪をはめたしなやかな白い指先に...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...しなやかだと見える指先にまでみっちりと実がはいって...
豊島与志雄 「人の国」
...しなやかな線を描いて生えている...
夏目漱石 「幻影の盾」
...柔かい絹をしなやかに圧(お)しつけるので...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...また同じようにしなやかで敏捷(びんしょう)であった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...あの豊満でしなやかで温(あたた)かい肉体が...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...花瓶の間をしなやかに滑り拔ける猫だのの上に注がれてゐるのを...
堀辰雄 「春日遲々」
...しなやかなその足...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...しなやかな水の上でクッションにもたれたまま...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...自分のしなやかな溜息をききました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...王女や小鳥や孔雀のむれは間もなくパヴロアの舞踏を見た粉ぽい西洋紙がまるめられ音楽のまにまに舞ひ沈みながらゐたどこから入つてきて止つたのか肉じばんをはいたパヴロアの長いしなやかな足さきに青い一匹の蝗(いなご)が止つて足掻(あが)いてゐた...
室生犀星 「忘春詩集」
...よく心得た女体のしなやかな強さをあたえていた...
山川方夫 「愛のごとく」
...しなやかに長い美しい指で...
山本周五郎 「落ち梅記」
...四肢のしなやかさは柔らかい衣の皺(ひだ)にも腕や手の円さにも十分現わされていながら...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...しなやかな肢体の優美さ敏活さを見せてくれた...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索