...漆喰(しっくい)の剥(は)げた壁を濡らしていた...
芥川龍之介 「路上」
...とにかく三百坪ぐらいもあるとても広くて天井の高い工場みたいな建物の床を漆喰(しっくい)みたいなもので塗っているんだが...
海野十三 「東京要塞」
...それからあのいつもの漆喰細工(しっくいざいく)の大玄関をはいってそこにフロックコートに襟章でも付けた文部省の人々の顔に逢着するとまた一種の官庁気分といったようなものも呼び出される...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...ま新しい漆喰(しっくい)が雨に打たれて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...壁は割り板と角材とでささえた薄い漆喰(しっくい)で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...壁から一塊の漆喰(しっくい)を静かにはぎ取り...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...囲繞溝渠(いじょうこうきょ)の漆喰工事(しっくいこうじ)よりもいっそう亀裂(きれつ)や崩壊がはなはだしかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...小さなみすぼらしい漆喰(しっくい)塗の木造の建物で...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...漆喰細工(しっくいざいく)で...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...変ったものといえば浅い木箱に入った油土(パテ)と漆喰(しっくい)土だけである...
久生十蘭 「魔都」
...家の壁もところどころ剥(は)げて漆喰下地(しっくいしたじ)がむきだしになっているのは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まるで凧(たこ)の絵みたいな漆喰細工(しっくいざいく)の飾り絵がしてある事だった...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...本所相生町(あいおいちょう)に石灰屋(しっくいや)をしている弟である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...太々と豊かに白の漆喰(しっくい)を盛り上げるのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...しばしばそれを一種の漆喰(しっくい)のようなものでとめてあるのでちょっと手で動かそうとしても動きはしない...
柳宗悦 「野州の石屋根」
...紙幣が散乱してビショビショに濡れた漆喰(しっくい)の平面に吸付いた...
夢野久作 「冥土行進曲」
...落ちかかった漆喰(しっくい)の横腹に生えていた青みどろが...
横光利一 「上海」
...漆喰(しっくい)板の泥を浴びて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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