...しかるに、鑿井(さくせい)内の温度が深さ一キロメートルを加える毎に約三〇度ずつ上昇することから推して、地下約五〇キロメートルの深さまで行けば地球内部は流動体となっていると仮定されるのであるが、これは地震波の伝播速度に関する観測の結果からも、また振子による重力測定の結果からも裏書きされる(『宇宙の成立』三三頁参照)...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...しかるに、近年その実母、小形山を去りて駒橋と称する所に移り、ここに一家を借りて住す...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...しかるに人の立つ所の地の造られし時において...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...しかるに、噴行艇のま下は、黒いだけで、星は見えなかった...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...しかるようにいいました...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...早速御召抱ありてしかるべきものだけれど...
江見水蔭 「備前天一坊」
...かかる本質についてはしかるにこの知覚は極めて不明瞭にそして不分明にでなければ何物も指示しないからである...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...しかるべき相談相手を求めようとする気にもならないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかるに、もつたいないことに、私の手はつい載せてゐた小箱を傾けて、その中に充滿してゐた眞珠を床の上にこぼしてしまつた...
野上豐一郎 「奈良二題」
...しかるに、この傷は猪目透(いのめすかし)二字切となっております...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...しかるに今獄中にありて或る日突然その事あり...
福田英子 「妾の半生涯」
...しかるに、この頃我輩が古本屋の店をあさっていると、偶然「万国政表」という書を発見した...
穂積陳重 「法窓夜話」
...しかるに彼に一つの癖ありて或る形容詞に限り長きを厭はず...
正岡子規 「俳人蕪村」
...しかるに今年はいかにしけん...
正岡子規 「墨汁一滴」
...しかるにまた漂泊の感情は遠さの感情なしには考へられないであらう...
三木清 「人生論ノート」
...しかるにまたの日その同じ箇所に出あうと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...しかるに現代語ですら解釈のできる地名さえ...
柳田國男 「地名の研究」
...しかるに能面の鬼は顔面から一切の人らしさを消し去ったものである...
和辻哲郎 「面とペルソナ」
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