...しきりに胸の勲章を指さしては何か言っているようなので...
大杉栄 「日本脱出記」
...よく薬売があんな大きな蝙蝠傘をさして来るでしょう...
竹久夢二 「大きな蝙蝠傘」
...「厭(いや)だい、厭だい、びっくりさして、厭だい」「そんなことで、びっくりする奴があるかい」「だって、だって、黙っててやるじゃないか、厭だい、厭だい、どうしても降りないやい」お高がまたまつわって来た...
田中貢太郎 「春心」
...」三娘は孟に指をさしていった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「封三娘」
...あんたは日光見物までさしてもろて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ここでは少し下り道ななだらかな傾斜なのでだんだんに暗さをます以外にはさして困難ではなかった...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...去年の夏数寄屋橋(すきやばし)の電車停留場安全地帯に一人の西洋婦人が派手な大柄の更紗(さらさ)の服をすそ短かに着て日傘(ひがさ)をさしているのを見た...
寺田寅彦 「自由画稿」
...燈火のさしていたガラス戸がまたたいて見えなくなっていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼の顔をあげさして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「青空が見える」「陽がさしてきた」船員も兵隊たちも半死半生で...
久生十蘭 「ノア」
...おどり子は大さう喜んで「では行って参ります」と北をさして出かけました...
槇村浩 「おどり子の出世」
...そいで一郎に怪我をさしてはいけないと思ってね...
三好十郎 「樹氷」
...小使部屋だけ障子に明(あかり)がさしている...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...青い眼をギョロギョロさして私を見ると...
夢野久作 「暗黒公使」
...六本木の停留所の灯が二人の前へさして来て...
横光利一 「微笑」
...さして来たころです...
吉川英治 「江戸三国志」
...おれたちのために、この人を死なせては」と、馬の背へ抱き上げ、なお何か、気丈な李応は、叫んでいたが「――ひとまず退(ひ)け」と、麓へさして、総人数、なだれて帰った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...こなたへさしてくるのが見えた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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