...生徒がさしてきた雨傘を開いたまま運動場に置いて教場へ出て...
井上円了 「おばけの正体」
...怪火の燃え上った方角さして前進を開始した...
海野十三 「地球盗難」
...ピンを強くさして支点とする...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...ぶつ/\呟(ぼや)きながら次の天津(あまづ)をさして発(た)つた...
薄田泣菫 「茶話」
...尋ぬる人は和歌の浦さして急ぎ行きしと言ふ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...門の扉にかんぬきがさして閉めてあった...
田中貢太郎 「嬌娜」
...前の竹藪(たけやぶ)には薄い夕日がさして...
田山花袋 「田舎教師」
...それでも時々障子に日影がさして来た...
徳田秋声 「黴」
...窓(まど)からさしてくるぼーっとした明るみのなかに...
豊島与志雄 「活人形」
...遠くからながめる者には幻をかけさしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...やがて扉をがたりと音さして出て行った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼をもっと楽しくさしてやらないことが心苦しくなった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...道庵主従も浅間の湯に泊ることには気がさして...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し考えさして下さいませんか」半日無駄にした上...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜具を干さして出かけたあとで...
羽仁もと子 「女中訓」
...霧散さしてくれと云つたのはこんな事だつたのかと...
林芙美子 「或る女」
...たった一箇所あかりのさしているところがあったので...
水上滝太郎 「九月一日」
...「これで一掃除すんだ」岐阜城へさして信長が帰ったのはそれからであったが...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索