...山のような五百重(いおえ)の大波はたちまちおい退けられて漣(さざなみ)一つ立たない...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...漣(さざなみ)一つ立たぬ水槽の底には...
石川啄木 「天鵞絨」
...元来この小説は京都の日の出新聞から巌谷小波(いわやさざなみ)さんの処へ小説を書いてくれという註文が来てて...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...小父さん小母さんの聖地(パレスタイン)だけに日本の「おじさん」巌谷小波(いわやさざなみ)...
谷譲次 「踊る地平線」
...・さざなみの島はまことに菜の花ざかり涙ながれて春の夜のかなしくはないけれど・春風のうごくさかなを売りあるく春は船でとんだりはねたりテープうつくしく春のさざなみ残月余生四月五日晴れたり曇つたり...
種田山頭火 「旅日記」
...林五君に・くもりおもたくつひのわかれか名古屋駅夜もなく昼もない地下室の人々車中うらうらここはどこだらう・おべんたうはおむすびをわけてたべておわかれ春風の汽車が汽車を追ひ抜く・関ヶ原は青葉若葉がせまるとトンネル・琵琶湖(ウミ)はまさに春こまやかなさざなみ・初夏のそよそよコンパクトにほふ暮れゆくビルのたかくも飛ぶは何鳥・街のゆうぐれ猫鳴いて逢ひに来たゆく春の夜の水のんで寝た五月十一日晴――曇...
種田山頭火 「旅日記」
...苗代の水に映(うつ)る青空(あおぞら)に漣(さざなみ)が立ち...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...瞬間にしてその小波(さざなみ)を曳(ひ)き去ってしまった...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...然るに当日午後の四時を期して上野停車場の待合室に集るものを見れば会長巌谷小波(いわやさざなみ)先生を始めとして十四...
永井荷風 「桑中喜語」
...小波(さざなみ)先生も四六君も共々(ともども)その頃は永田町なる故一六(いちろく)先生の邸宅にまだ部屋住(へやずみ)の身であったのだ...
永井荷風 「日和下駄」
...『さざなみ』の謎は解けさうもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの『さざなみ』は泥棒の顏繋(かほつなぎ)をする場所だつたのですね」錢形平次は斯んな事だらうとは思ひましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...『さざなみ』に行つて一應ガラツ八の樣子を見ようと思ひましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...耳を澄ますと小波(さざなみ)の音が幽かに聞えたが...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...「ドナウ河のさざなみ」こちらの歌と向うの歌のオーバラップはしばらくつづく...
三好十郎 「樹氷」
...まるで木の葉のそよぐような小波(さざなみ)が立ち...
室生犀星 「不思議な国の話」
...目にみえぬ無数の漣(さざなみ)の動くひろい川面のように見えた...
山川方夫 「昼の花火」
...ソヨソヨと小波(さざなみ)のような微風(びふう)がうごいて...
吉川英治 「神州天馬侠」
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