...これ幸いと身を寄せることになった...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...子供心にほしくてほしくてたまらなかったが、親類の人に遠慮して言い出せずもじもじしていたが、折りよくそこへ家の丁稚が通り合わしましたので、私はこれ幸いと、丁稚に半紙へ波の模様のある文久銭を六つならべて描いて、「これだけ貰って来ておくれ」とことづけて、やっとそれを買うことが出来ました...
上村松園 「あのころ」
...これ幸いと僕はその送話器を通じて...
海野十三 「海底都市」
...これ幸いと鬼の留守に洗濯をやっているのであろうと...
海野十三 「地獄の使者」
...これ幸いと、僕は小屋に忍びこむことにした...
海野十三 「地球を狙う者」
...あの男が滝の落口へ昇って行ったのを見すまして、これ幸いと、君がうしろからつき落としたのだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...おれはそれが畑柳庄蔵だとは少しも知らなかったけれど、犯罪を一層複雑にするために、これ幸いと、同じ様な唇のないろう仮面を作らせて、怪談めいた趣向をこらした...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...家のなかに引っこむ機會の生じたのをこれ幸いとその場をはずしながら...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...兵馬はこれ幸いと同じくその舟へ飛び乗って...
中里介山 「大菩薩峠」
...これ幸いと郷里にも告げず...
福田英子 「妾の半生涯」
...これ幸いとチャールズ卿を排除したんだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...これ幸いと食事を一人で摂った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...警察はこれ幸いと調査を急いで...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...これ幸いとガッチリ引っかけた...
夢野久作 「冥土行進曲」
...矢代はこれ幸いと思い...
横光利一 「旅愁」
...自分の地内へ逃げこんだやつをこれ幸いと横奪(よこど)りして口を拭いてやがるのだな」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...これ幸いと書出しの手懸りにさせてもらった次第だった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...これ幸いとものの小一時間ほど...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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