...つまり彼らの滑稽(こっけい)という観念は我々の滑稽という観念と全然標準を異(こと)にしているのでしょう...
芥川龍之介 「河童」
...苦痛や憂鬱(ゆううつ)さえもがこの男の深刻な顔にこっけいな生真面目(きまじめ)さを加えて...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...一方では寧(むしろ)ふき出し度い程滑稽(こっけい)な感じもするのだけれど...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...僕には滑稽(こっけい)に聞えた...
太宰治 「正義と微笑」
...恋愛に滑稽(こっけい)感は禁物である...
太宰治 「メリイクリスマス」
...私にはそれがどうも滑稽(こっけい)で今まではカ氏の口から...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...薬の説明をするうちにそれが分って来て狼狽(ろうばい)し出すのが滑稽(こっけい)であること...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ペリカンのひながよちよち歩いては転倒する光景は滑稽(こっけい)でもあり可憐(かれん)でもある...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...最も滑稽(こっけい)な例をあげるとフィンランド語では鶴(つる)が haikara であり...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...滑稽(こっけい)であると共にまた恐ろしいもので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...色という字の下へ赤斑(あかまだら)と書いた滑稽(こっけい)も微(かす)かに胸に浮んだ...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...あるならちょいとお貸し」「日本の?」細君の耳にはこの形容詞が変に滑稽(こっけい)に聞こえた...
夏目漱石 「明暗」
...「滑稽(こっけい)だな...
夏目漱石 「明暗」
...こっけいに見えるね...
林芙美子 「ひらめの学校」
...生活に必要なものはこっけいなほど無視されていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...だれでもが作るような古いところがあるじゃないかね」滑稽(こっけい)でならないように源氏に笑われている末摘花の女王はかわいそうである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...また滑稽(こっけい)にも思われて破顔していた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...時方は宮への御遠慮で返辞もよくすることができず心で滑稽(こっけい)のことだと思っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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