...猪熊(いのくま)の爺(おじ)は、老女の救いを得(う)ると共に、打ち物も何も投げすてて、こけつまろびつ、血にすべりながら、いち早くどこかへ逃げてしまった...
芥川龍之介 「偸盗」
...こけつまろびつ逃げまわり...
江戸川乱歩 「影男」
...こけつまろびつ逃げまわり...
江戸川乱歩 「影男」
...こけつまろびつ逃(にげ)まどふ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...いまごろはこけつまろびつ必死になってお小姓街道を村のほうへと逃げ走っていたころだったでしょう...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...それからがいけなかつた、――ワヤになつてしまつた、カフヱーからカフヱーへと泳ぎまはつた――それでも帰ることは帰つた、こけつまろびつ、向脛をすりむいだり、被布を裂いたり、鼻緒を切らしたりして...
種田山頭火 「其中日記」
...雪ひんぷん、すつかりお正月気分になつて、飲んだり食べたり、しやべつたりふざけたり、……酔うてはゐるし、凍みてはゐるし、こけつまろびつ、戻ることは戻つた...
種田山頭火 「其中日記」
...こけつまろびつで...
種田山頭火 「旅日記」
...南天をくぐる時からしてこけつまろびつしている...
中里介山 「大菩薩峠」
...こけつまろびつ川下の方へにげて行くのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...こけつまろびつ走りつづけたウスノロが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時、往手(ゆくて)の林の中から、いかにもあわただしく転がり出して、こけつまろびつ、こちらへ向って走り来(きた)る二つの物体がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...こけつまろびつ走る二人のうちの一人が...
中里介山 「大菩薩峠」
...大風にこけつまろびつしている弁信の胸のあたりを見計らい...
中里介山 「大菩薩峠」
...こけつまろびつ上らんとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...やはり、ほんとうの関心は掏摸に向けられていたのだが、その掏摸が、こけつまろびつ、がむしゃらに逃れて行く姿を見ていて、ほっと胸にひびいて来たものがあった...
火野葦平 「花と龍」
...こけつまろびつ、体をわるくして、あとから婚約した人とも破れ、今中野の療養所にいます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お粂の影がまたドドドドと砂地の浜をこけつまろびつ...
吉川英治 「江戸三国志」
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