...一角を奪取したけれども遂に大敗し...
石原莞爾 「戦争史大観」
...けれどもイドリスは...
鈴木三重吉 「ダマスカスの賢者」
...けれども、その出版の仕事も、紙の買入れ方をしくじったとかで、かなりの欠損になり、夫も多額の借金を背負い、その後仕末のために、ぼんやり毎日、家を出て、夕方くたびれ切ったような姿で帰宅し、以前から無口のお方でありましたが、その頃からいっそう、むっつり押し黙って、そうして出版の欠損の穴埋めが、どうやら出来て、それからはもう何の仕事をする気力も失ってしまったようで、けれども、一日中うちにいらっしゃるというわけでもなく、何か考え、縁側にのっそり立って、煙草を吸いながら、遠い地平線のほうをいつまでも見ていらして、ああ、またはじまった、と私がはらはらしていますと、はたして、思いあまったような深い溜息をついて吸いかけの煙草を庭にぽんと捨て、机の引出しから財布(さいふ)を取って懐にいれ、そうして、あの、たましいの抜けたひとみたいな、足音の無い歩き方で、そっと玄関から出て行って、その晩はたいていお帰りになりません...
太宰治 「おさん」
...高等御(おん)下宿と書いてある看板が本郷あたりによくあったものだけれども...
太宰治 「斜陽」
...蕪村句集を探したけれどもちょっと手に入らない...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...切支丹でなければならんという法もあるまいではないか」「ですけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...けれども動かずにもいられない...
夏目漱石 「三四郎」
...けれどもこう云う手違に慣れ抜いた寺尾は...
夏目漱石 「それから」
...けれども、ルーベンスとはおよそ反対の行き方をするようになった...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...けれども子供はかたく父の奇蹟を信じた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...薄情のやうだけれども...
林芙美子 「朝夕」
...四日振りに帰って来たのだけれども...
林芙美子 「泣虫小僧」
...……あたしはごく普通な倫理でしかものを考えることが出来ないけれども...
久生十蘭 「金狼」
...なかなか説明出来ないことだけれども...
北條民雄 「道化芝居」
...けれども、その前提が、少なくとも二つの点で、不完全な観察をもとにしているんでね...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...けれども、あのひとのおかれている義務のことを考えると、わたしが身をもむようにしたら却ってどんな思いでしょうと思われて、ほんとに私は行儀よいこになります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何か頻(しき)りに物を言うけれども怖ろしいので何を言うか解らなかった...
柳田国男 「山の人生」
...僕にも話しませんでしたけれども...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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