...そして幾分くすんだやうな色を考へるけれども...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...一般に日本人が青いといへば何となく松の緑のやうなくすんだ色を思出すのであるが...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...周囲のくすんだ渋い...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...眼の下の孤山は燻銀(いぶしぎん)のくすんだ線を見せていた...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...奥の室には小さいくすんだ古箪笥と其他のもの...
豊島与志雄 「過渡人」
...皮膚が美しく冴えたり醜くくすんだりする変化を...
豊島与志雄 「程よい人」
...それを晩秋(ばんしう)の空(そら)が悉皆(みんな)持(も)ち去(さ)るので滅切(めつきり)と冴(さ)える反對(はんたい)に草木(くさき)は凡(すべ)てが乾燥(かんさう)したりくすんだりして畢(しま)ふのに相違(さうゐ)ないのである...
長塚節 「土」
...くすんだ鼠縞(ねずみじま)の袖の下から...
夏目漱石 「虞美人草」
...その代りにくすんだ更紗形(さらさがた)を置いた布(きれ)がいっぱいに被(かぶ)さっていた...
夏目漱石 「ケーベル先生」
...くすんだ縞(しま)ものを着て...
夏目漱石 「野分」
...藍系統のくすんだ着付に...
久生十蘭 「西林図」
...或は地味なくすんだタッチで...
堀辰雄 「室生さんへの手紙」
...部屋は全面くすんだオーク材...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...くすんだような深い赭色(あかいろ)に塗られた盃は...
本庄陸男 「石狩川」
...くすんだ色の半纏姿が頼もしく似合っている柳美館だった...
正岡容 「寄席」
...くすんだ様な部屋の中に...
宮本百合子 「草の根元」
...曇り硝子(ガラス)のようなくすんだ光をもって見えたのである...
室生犀星 「幻影の都市」
...緑(みどり)の褪(さ)めた、砂と塵挨(ごみ)だらけの、水気(みづけ)のない、いぢけた、倭(ひく)い椰子の木立、木伊乃(みいら)にした、動(うご)かない天狗猿、死(し)んだ、みすぼらしい、ちつぽけな鰐、くすんだ、黄土(わうど)とCHOCOLAT(シヨコラア)の色をした廉物(やすもの)の、摸造の爪哇(ジヤワ)更紗、まだ一度も生血(いきち)を嘗めず、魂(たましひ)の入らぬ、ひよろ長い毒矢(どくや)の数々(かず/″\)……え? これが大正博覧会の南洋館?最初の二つの室(しつ)を観て歩いて、おれは思はずおれの子供等に言つた、「こんなぢやない! こんなぢやない! 南洋は!」そして、おれは新嘉坡を想ひ出した...
與謝野寛 「南洋館」
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