...着物は思いきって地味(じみ)なくすんだのを選んだけれども...
有島武郎 「或る女」
...可成(なるべく)くすんだ顏を人に見せまいと思つて...
石川啄木 「菊池君」
...くすんだ色で塗った安物の花瓶が...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...しわだらけのビロードの襟が付いたくすんだ褐色のオーバーが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...そこからくすんだ茶色い鬚(ひげ)の生えた顎がとがるようにのびていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...くすんだ中間色のロンドン市街...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...みるみるうちに中身はくすんだマホガニー色を呈し...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...どっちも四十円がらみのもんや」それは色のくすんだ...
徳田秋声 「挿話」
...そしてその実体――艶のないくすんだ薄い毛並...
豊島与志雄 「オランウータン」
...そのくすんだ渋さを聴くがよい...
野村胡堂 「楽聖物語」
...皮膚はくすんだ眞珠色で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...くすんだ茄子紺の縫紋の羽織を着てゐた...
林芙美子 「夜福」
...そこの家具の肱掛椅子や椅子がくすんだ色と輝く色が代わる代わる縞をなしている植物繊維の材料で出来ているのを見ることほど物悲しいものはない...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...くすみにくすんだ大玄関の式台と...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...どす黒いくすんだ顔に...
火野葦平 「花と龍」
...くすんだ馬巣織(ばすお)り家具...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...それで漸くすんだと思ふと...
水野仙子 「道」
...寒そうな、くすんだ朝だ、と思って見ていると、ずっとうしろの曲り角を、ひょっくりとS君がまがった...
水野葉舟 「帰途」
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