...くすんだ皮の長椅子の凭れをバックにして...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...くすんだ黄色い地に...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...周囲のくすんだ渋い...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...眼の下の孤山(こざん)は燻銀(いぶしぎん)のくすんだ線を見せていた...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...ぼくらのピクニックのほうが早くすんだらどうしよう」「そしたら水月の下の浜で...
壺井栄 「二十四の瞳」
...遠くの方にテューダー朝様式の煙突の数々そびえ立つくすんだ古屋敷がちらちら見えたが...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...そこからくすんだ茶色い鬚(ひげ)の生えた顎がとがるようにのびていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...それを晩秋(ばんしう)の空(そら)が悉皆(みんな)持(も)ち去(さ)るので滅切(めつきり)と冴(さ)える反對(はんたい)に草木(くさき)は凡(すべ)てが乾燥(かんさう)したりくすんだりして畢(しま)ふのに相違(さうゐ)ないのである...
長塚節 「土」
...すでに滞(とどこお)りなくすんだ昨日の午後を顧みて...
夏目漱石 「思い出す事など」
...彼は昨日(きのう)ようやくすんだと答えた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...思いのほか軽くすんだが...
久生十蘭 「あなたも私も」
...顔がくすんだオリーヴ色になり...
久生十蘭 「ノア」
...これでどうやら事なくすんだが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...そのくすんだ黒つぽい服裝が...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その背景にはくすんだ青色の丘が並んでいる...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...くすんだ馬巣織(ばすお)り家具...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...灰色にくすんだ運動場は雨の底にしぶいていた...
本庄陸男 「白い壁」
...切箔(きりはく)のくすんだ光と...
吉川英治 「随筆 新平家」
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