...洋一は書き損じた紙を噛み噛み...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...私は塗り潰しに使ふ太い筆を別に用意しておいて、書き損ふと、一遍にずうツと塗り潰す...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...書き損じの紙とが...
直木三十五 「南国太平記」
...やっぱりこの娘を口説(くど)き損ねて逃げられ...
中里介山 「大菩薩峠」
...手槍(ピスカン)で大蛸(おおだこ)を突き損(そこな)って胸や腹に吸い付かれ...
中島敦 「南島譚」
...いったん鳴き損(そこ)ねた咽喉(のど)は容易に開(あ)けぬ...
夏目漱石 「草枕」
...顔の先一間四方がぼうとして何だか焼き損(そく)なった写真のように曇っている...
夏目漱石 「坑夫」
...それですぐ後(あと)に尾(つ)いて行き損なった私は...
夏目漱石 「こころ」
...「おや?」書き損じらしい手紙が七八本...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は側まで行つてつひに行き損じたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...こゝで泣かしてやらうと、たくらみすぎたか、泣き損ひ、泣かせ損ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それは書き損ひの原稿を容れて置く箱の隅に投げ棄て放しにして置いた...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...彼だけは医院へも行き損つてゐた...
牧野信一 「F村での春」
...何故か一散にN村まで行き着き損ひさうな焦立ちをもつてゐた...
牧野信一 「円卓子での話」
...夕暮れまでにS市に着き損ふことを懸念しなければならなかつた...
牧野信一 「山を越えて」
...九時頃だったけれ共もう寝ていくら呼んでも駄目だったと祖母は行き損をして又元の形で帰っていらしった...
宮本百合子 「悲しめる心」
...机の上は書き損じた紙や...
山本周五郎 「季節のない街」
...書き損じの反故(ほご)にしか見えなかった...
山本周五郎 「風流太平記」
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