...早口に讀み行く言葉を聞き損じないだけがヤツトのことで...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...右の手は書き損じの原稿をにぎりつぶし...
太宰治 「葉」
...書き損じの原稿を破ることに使った」メフィストフェレスは雪のように降りしきる薔薇(ばら)の花弁に胸を頬を掌を焼きこがされて往生したと書かれてある...
太宰治 「葉」
...また書き損なって真っ黒々の消しだらけにしようとも...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...多くの人をさへ引き損ぜんこといとゞうたてかるべきには侍らずや...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...今日はその不深切のために半里ばかり歩き損した...
種田山頭火 「道中記」
...二度突き損じたと思った老人は...
中里介山 「大菩薩峠」
...はなはだしき損となる...
夏目漱石 「坑夫」
...たまには敲き損(そこ)なった弾丸が流れてしまう事もあるが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...銭形の親分はさすがに眼が高(たけ)え」書き損ねの達磨(だるま)のような髯面(ひげづら)を歪(ゆが)めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...聞き損じは少なくなるでしょう...
羽仁もと子 「女中訓」
...「大番頭」はぢめ一寸食ひつき損ったかと思ったが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...客は食ひつき損った...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...こゝで泣かしてやらうと、たくらみすぎたか、泣き損ひ、泣かせ損ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...開いて、空をつかせた雪之丞の、構えが直らぬ間に、もう一人、「とうッ!」と、折り敷くように、胴を薙(な)いで来るのを、ジーンと弾(はじ)き返して、利(き)き腕に、一撃、腕が折れたか、その場に腰をついてしまったのを見向きもせず、突き損じて、のめりかけた奴が、「えい!」と、大袈裟(おおげさ)に斬って来たのを、肩先一寸で、かわして、「む」と、詰めた気合で、心臓に、鉄扇の尖が、真ッ直ぐにはいる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...九時頃だったけれ共もう寝ていくら呼んでも駄目だったと祖母は行き損をして又元の形で帰っていらしった...
宮本百合子 「悲しめる心」
...その時は生憎お客様のお使いをしていたために聞き損ねた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...書き損じの反古(ほご)をまるめ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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