...背たけが思いきって低く、顔形も整ってはいないが、三十女らしく分別(ふんべつ)の備わった、きかん気らしい、垢(あか)ぬけのした人がそれに違いないと思った...
有島武郎 「或る女」
...あばずれたきかん気の人らしかつた...
有島武郎 「骨」
...もう昔のごつぁにゃたい」きかん気の業突(ごうつく)の親爺は...
徳永直 「冬枯れ」
...ドイツ人ヘンデルにはドイツ人に共通の負けじ魂ときかん気がある...
野村胡堂 「楽聖物語」
...昔は二本差だったそうで恐ろしいきかん気...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そいつの顔が見てやりとうございます」恐ろしいきかん気...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「父(とっ)さんはあの通りのきかん気で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「出刃庖丁は投りませんよ」仁助は恐ろしくきかん気です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...きかん気らしい唇をキッと結びました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...江戸娘らしいきかん気を匂わせて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...華奢で、筋肉質で、きかん気で、喧嘩強そうで――そのくせ、顔一面に漲(みなき)る恐怖は、死面(デスマスク)一杯に青隈になってコビリ附いて、物馴れた平次も、その不気味さに身を震(ふる)わせた程です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...皆んな喜んで居ますよ」このきかん気らしい辰三郎や...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...女房のお駒はきかん気の女で――少しは気も変になったでしょうが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...若いきかん気らしい医者の一人が...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...何ものも恐れないと云ふきかん気が此男の頭の中に燃えたつのである...
平出修 「瘢痕」
...きかん気の眼をした馬もないと思いました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...きかん気の子供らしいその外国人の顔を見下しながら...
宮本百合子 「思い出すこと」
...ただ甚だ特異質的なきかん気だけを持っていた一青年の所へ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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