...がに股をしてついて歩く...
田畑修一郎 「南方」
...がに股(また)で...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...がに股の醜態で歩みを運ぶより他は手もなかつた...
牧野信一 「鬼の門」
...脚といつたらまるで弥次郎兵衛のやうにがに股で...
牧野信一 「武者窓日記」
...導かれながら、彼女は、思い出さずにはいられない――道場が、まだ建てかけで、板構えのあったころその物蔭で、三斎屋敷闖入(ちんにゅう)を決心、がに股のちび助、吉公に打ちあけて、諫(いさ)めるのを振り切って、忍び込んだのだったが、その晩、あの雪之丞に見咎(みとが)められ、それがきっかけで、思わぬ成りゆきになったことを――平馬が、道場、脇玄関の戸を、引きあけて、「戻ったぞ」と、いうと、妙に角張った顔の内弟子が、寝ぼけごえで、すぐ次の部屋から出て来て、「お帰りなされまし」と、無器用に、手を突いたが、うしろに、すんなりたたずんだ、お初をみとめて、いぶかしげだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...がに股の吉が――「たれだ? 俺の名を云うなあ――」と...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...顔を合せているがに股の吉...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「ざまあ見ろ! お初、手前ッちが、このおれさまに張り合えるかい! とんちきめ、尋ねる人は、もうとッくに楽々と、蒲団の中で楽寝をしていらあ――あばよ!」「やッ! ちくしょう、うぬあ何だ!」と、がに股の吉、びっくりして、闇太郎に掴みかかるのを、突きとばして、尻餅(しりもち)をつく上へ、あびせかけるように、「三下! 引ッ込んでやがれ! 馬鹿、俺がわからねえか!」「あッ、お前は、闇の――」「うるせえ!」と、一喝して、「手めえに恨みはねえ、早く亡(ふ)けろ! 役人が来るなあ、ほんとうだぜ!」タッと、一跳躍して、暗がりの庭を、突ッ切って、塀を刎(は)ね越えようとしたとき、――ズーン! と、いう銃の音――つい側の庭石に中(あた)って、火花が散った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...座業の人に猫背がに股というのをよく見かけるけれども...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...ひどいがに股(また)で...
山本周五郎 「青べか物語」
...彼の足が涜神(とくしん)的にまでがに股であることと...
山本周五郎 「青べか物語」
...彼がひどいがに股で...
山本周五郎 「青べか物語」
...ひどいがに股(また)で...
山本周五郎 「青べか物語」
...彼がひどいがに股で...
山本周五郎 「青べか物語」
...その小さな、がに股の、しなびたような弥市が、はねあがりはねあがり喚くさまは、老いぼれ猿が怒ってでもいるようで、娘たちには忍耐のしようのないほど可笑(おか)しいらしかった...
山本周五郎 「似而非物語」
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