...魔の森の怪物! 亀と間違えた甲虫(かぶとむし)というのは……」彼はおのれの上下の歯がガチガチと戦慄(せんりつ)を伝えてかち合う音を耳にした...
海野十三 「地球盗難」
...私の視線とかち合うと父様はさも忌々(いまいま)しげに...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...ふと私と視線がかち合うと父様の眼は...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...まれに台所で皿鉢(さらばち)のかち合う音が聞こえても三毛は何も知らずに寝ていた...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...入神の腕前を持っていた)――やがて三人四人の話しだす聲が一どきにかち合うまでになった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...フォンテーヌブローの敷石道に響く車輪や馬足の重々しい音、鞭の鳴る音、鎖のかち合う音、徒刑囚らの旅を呪う群集のわめき声、それらもしだいに空中に弱まっていった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...両方の言葉が殆んどかち合う位に一緒に出た...
豊島与志雄 「微笑」
...」二人の言葉は殆んどかち合うくらいに同時に出た...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...お客が一度に二人かち合うような時には...
永井荷風 「ひかげの花」
...かすかにかち合う壜の音と「こんちは」と呟(つぶや)く低い声がするのである...
原民喜 「冬日記」
...微(かす)かにかち合う壜の音がまだ心の中で鳴りひびき...
原民喜 「冬日記」
...互いに視線のかち合うのを怖れる如く...
久生十蘭 「魔都」
...気心の知れた仲間と芸術の喜びを分かち合うのは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...火の光が散らばり剣と槍とのかち合う響があった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「女王スカァアの笑い」
...艱難辛苦を分つとともに狩猟の果実をもわかち合う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...近所の者とかち合う心配はなかった...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...歯のかち合う金属性の音がして...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...必らずスピッツの牙とかち合うのであつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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