...元来当学堂は表面は清国の一学堂なれど裏面は日本の勢力扶植の一機関たれば自ら志士集合所の如き趣ありて公使館あたりの純然たる官吏社会より観(み)れば頗る危険の分子を含みたる一団体の如く目さるる傾有之(かたむきこれあり)...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...すこしずつかたむきをなおしてくるのがわかりました...
海野十三 「豆潜水艇の行方」
...外があるけないよ」忘れもの豆潜水艇のかたむきは...
海野十三 「豆潜水艇の行方」
...首が前にかたむきました...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...理智以上にスリルを愛するかたむきがなかったとはいえない...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...小生も何か差上度所存だけはとうから有之候えども身体やら心やらその他色々の事情のためつい故人に疎遠に相成るようの傾(かたむき)...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...樹明君に・月あかりのしたしい足音がやつてくる自分自身に椿が咲いたり落ちたり道は庵まで春雪二句追加・雪すこし石の上・ぶら/\あるけば淡雪ところ/″\・霜どけの道をまがると焼場で・墓場したしうて鴉なく・早春の曇り日の墓のかたむき春の野が長い長い汽車を走らせる三月十一日何もかも食べつくしてしまつた...
種田山頭火 「其中日記」
...ゾラの小説は人物の描写とかく外部よりする傾(かたむき)を憾(うら)みとす...
永井荷風 「小説作法」
...いよいよ怪しまれる傾(かたむき)があるので...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...かたむきかけたのを痩(や)せた背に受けて...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...そうしたかたむきは...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...かたむきゆく家運のかへし難きを知る實家の親々が...
樋口一葉 「琴の音」
...一方にかたむきながら...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...したがって一種の文字上のおしゃべりに終るかたむきがつよかった...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
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三好達治 「池のほとりに柿の木あり」
...高まろうとしている傾(かたむき)はいつまでも止まることはあるまい...
森鴎外 「里芋の芽と不動の目」
...陳列して審査せざる傾(かたむき)あり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...土地の者の経験をかるく見ようとするかたむきもあった...
柳田国男 「母の手毬歌」
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