...柱はかたむき廂(ひさし)は破れ...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...とたんに体がぐらりとかたむき...
海野十三 「恐竜島」
...すこしずつかたむきをなおしてくるのがわかりました...
海野十三 「豆潜水艇の行方」
...而かも肺結核という――夫(そ)れは寧ろ患者の頭脳を病的にまで明晰(めいせき)にする傾(かたむき)のある所の――不治の病(やまい)に罹(かか)った...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...首が前にかたむきました...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...はや松の枝にかたむきそめて...
大町桂月 「月譜」
...幾らか値段を低くつける傾向(かたむき)があるにも依るらしいといふ事だ...
薄田泣菫 「茶話」
...西方は幕下ばかり居るかたむきがありてんで角力にならない...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...ゾラの小説は人物の描写とかく外部よりする傾(かたむき)を憾(うら)みとす...
永井荷風 「小説作法」
...自然主義時代の仏蘭西(フランス)文学は自分にはかえって隅田川に対する空想を豊富ならしめた傾(かたむき)がある...
永井荷風 「夏の町」
...コンラッドの小説は自然に重きをおき過ぎるの結果主客顛倒(てんとう)の傾(かたむき)があると云う所見を非難せられた...
夏目漱石 「コンラッドの描きたる自然について」
...価値という事を同一視する傾(かたむき)が生じやすくはないかと思われます...
夏目漱石 「創作家の態度」
...また無理な形式を喜ばない傾(かたむき)があるが...
夏目漱石 「中味と形式」
...六十度ちかい勾配(こうばい)にまでかたむき...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...かたむきゆく家運のかへし難きを知る実家の親々が...
樋口一葉 「琴の音」
...それだけに安易に走つてゐるかたむきで...
牧野信一 「浪曼的月評」
...現下の問題を極めてよく例証する傾(かたむき)があろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...「池のほとりに柿の木あり 幹かたむきて 水古りし 堤の上を ゆきかよふ路もなつかし……」などとひそかに呟いてみるのである...
三好達治 「池のほとりに柿の木あり」
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