...青山の方の或伯爵家へお針女に這入つて今にそこに勤めてゐる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...坊ちやんを傍へ坐らせてお針をする...
鈴木三重吉 「桑の実」
...お針の道具を片づけて庭へ下り...
太宰治 「お伽草紙」
...お針のお六は行燈(あんどん)の陰で背中を丸くしてほどきものに余念がなさそうな振りをしていて...
太宰治 「新釈諸国噺」
...好いあんばいにお針が達者だつたから...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...こんどはわたしをお針屋(はりや)へやってくれるん...
壺井栄 「二十四の瞳」
...そこで一人かけ離れて冬物を縫っているお針の傍へ行ったり...
徳田秋声 「足迹」
...」「お針って、お安さあはどんな仕事が出来るだい...
徳田秋声 「足迹」
...「お針(はり)にでも何(なん)でも遣(や)れる時(とき)にや遣(や)つから...
長塚節 「土」
...女中、小間使、お針、飯炊き、あらゆる種類を尽して、八五郎の八方からサッと飛びかかります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もとは檀家の一人成しが早くに良人を失なひて寄る邊なき身の暫時こゝにお針やとひ同樣...
樋口一葉 「たけくらべ」
...お針子達はメイフェアに...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...町屋の娘並にお針に通ふ...
水野仙子 「四十餘日」
...静かにお針をしている傍に寝そべっていた私自身の姿をも...
室生犀星 「幼年時代」
...賃仕事に追われがちだった内儀さんの指さきが今もその仕来りからお針が離せないのである...
矢田津世子 「神楽坂」
...所せまいまでに置き並べた中に寿女さんのおっ母さんが俯向きにお針の手をせっせと動かしていたものであった...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...あだこはお針の稽古にかよいだした...
山本周五郎 「あだこ」
...お針は好きですから……」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
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