...此室(こゝ)へお通し申して呉れ...
石川啄木 「雲は天才である」
...ノラ ぢやお通し! 靜かにね! それからあいつの來たことをいつちやいけないよ...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...文夫さんの未亡人でお通しになればよかったのに――』『それが出来る位なら何も――』綾子さんは半分口の中で云いながら...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...早くお通ししてください」李幕事は急いで出て往ったが...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...「お通し申せ」と...
直木三十五 「南国太平記」
...「いいから、そんなに怒らないで、駕籠に乗ってお戻んなさいましよ」「乗ろうと乗るまいと大きなお世話じゃないか、どいておいで、邪魔をしないで、お通し」「そんなわからないことをおっしゃるもんじゃあございませんよ、山下の立場(たてば)から吉原まで二百五十のきまりの上に、多分の酒代(さかて)までいただいてあるんでございますから、今更どうのこうのっていうわけじゃございませんよ」「何でもいいから、お通し、先のことが心配になって、気が気じゃあないんだから、通しておくれ」「いけませんよ」「この野郎」女の方が腹を立って、ピシャリと男の頬を撲(なぐ)りつけたようであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...政吉ならここへお通し」お蘭の方は...
中里介山 「大菩薩峠」
...こっちに、お通し...
火野葦平 「花と龍」
...どうぞこちらへおはいりなさいますように」と私はすぐお通し申させた...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...すぐお通ししておくれ」伊東は朝のままの閉め切った書斎に入ると...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...二階の応接室にお通ししてお目にかかると...
三浦環 「お蝶夫人」
...お通しを――あれに逃げてまいる者に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...いらっしったらお通しするわ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...」「お通ししてもいいよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...お通しすれば宜かったわね...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...「書院へお通し申せ...
吉川英治 「新書太閤記」
...町長寄贈の町の女流音曲家もすでに来ている所へお通しして...
吉川英治 「随筆 新平家」
...尋常にお通しあるまいと...
吉川英治 「源頼朝」
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