...お負けにぐづ/\してゐるうちに...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...女はまた持ち慣れないコダクを下手(へた)に肩にかけ、その重みで顏の筋肉までが多少一方へ引き下げられてゐるのに、無理に澄まし込んで、その澄ました口がおのづからさきの方へ押し出されるのを、一方の傘で後(うし)ろにつきささへ、お負けに、片足をあげて、まさに段々をおりようとするところだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...弟様のお負けになったことは先刻も申上げました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...お負けにクリスマスの晩だのに...
ストリンドベルヒ August Strindberg 森鴎外訳 「一人舞台」
...それでもまさかうちのとのさまがお負けになることはあるまいから...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...お負けにの腹なんかに...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...畳(たたみ)は色が変ってお負けに砂でざらざらしている...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...お負けにその机が部屋の戸口から真正面にあるんだから運がわるい...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...お負けに私は、さすがに食慾が出なかったため、余り夕飯をとらなかったので自分もひどく空腹なのでした...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...朝から晩まで何年もと言つたら中々堪へらるる者でない――而してお負けに眼を開いて天を見て居る――是も何でもないやうに考へらるるが印度は熱帶國で中々苦しいことである――斯う云ふ行をやつた...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...自分一人が手数を省くために亭主や小供やお負けに自分の胃腸までがどれほど余計な手数をかけるか更に頓着ない...
村井弦斎 「食道楽」
...お負けに年を積(と)ると顔へ汚点(しみ)が出来たりソバカスが出来たりする...
村井弦斎 「食道楽」
...お負けに従兄弟同士の婚礼はどうのこうのと生意気な事を抜かしおって体好(ていよ)くお代の事を断わろうとしている...
村井弦斎 「食道楽」
...とうとうこの最後の出来事にお負けになった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...玉代(ぎょくだい)は時間外の分だけお負けになってるから...
山本周五郎 「青べか物語」
...まだお負けに上着からチョッキまで質に叩き込んで...
横光利一 「上海」
...お負けに兄貴としての顔も立てねばならぬとしたら...
横光利一 「上海」
...お負けに僕の足を踏みつけたからな...
横光利一 「旅愁」
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