...お負けに、レエンは一夜一夜(いちやいちや)を章別にした上に、或章は註の中(うち)に追入れて了(しま)つたり、詩を散文に訳出したり又は全然捨てて了つたりして居るし、児戯(じぎ)に類する誤訳も甚だ多いと云ふ次第...
芥川龍之介 「リチヤアド・バアトン訳「一千一夜物語」に就いて」
...お負けにぐづ/\してゐるうちに...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それでもまさかうちのとのさまがお負けになることはあるまいから...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...畳(たたみ)は色が変ってお負けに砂でざらざらしている...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...この屋敷で本藩の私(わたくし)を以(もっ)て八十日を八年にして遣(や)ろうなんと云うお負けを遣(や)りはしないか...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...お負けにビールは少々ござっているし食後の珈琲(こーひー)を貰(もら)ったらカビ臭(くさ)かった」と談話中に下女はフライの皿を持出し来る...
村井弦斎 「食道楽」
...自分一人が手数を省くために亭主や小供やお負けに自分の胃腸までがどれほど余計な手数をかけるか更に頓着ない...
村井弦斎 「食道楽」
...お負けに年を積(と)ると顔へ汚点(しみ)が出来たりソバカスが出来たりする...
村井弦斎 「食道楽」
...お負けに味噌汁が淡(うす)くってお湯を呑むようで味も何もあったものでない...
村井弦斎 「食道楽」
...それにしても碁の勝負にお負けになったのは気の毒だった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...碁の勝負で三番のうち二番を帝はお負けになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...とうとうこの最後の出来事にお負けになった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...清にお負けなさいますな」そうかと思うとあちらの方では,「おやどこへ往ッたろう?」「こちら...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...思い切って八円半までお負けしとく……...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...すこしお負けしておきましょう...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...ズットお負けしまして半額の五千円ぐらいでは如何でしょうか」「それでおよろしいですの」「結構です」未亡人は卓子(テーブル)の下からハンドバックを取出して札(さつ)を勘定し始めた...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...安うお負けしときますがな...
横光利一 「比叡」
...一桶(ひとおけ)」「五貫とお負けしておきましょう...
吉川英治 「新・水滸伝」
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