...「有野村のお大尽様(だいじんさま)に...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこへお角が通されて、「お大尽様、お邪魔に上りました」「おお、お角どの、まあずっとこれへお入りなさい」といって老人は本を伏せ、眼鏡を外(はず)して、座をすすめると、お角はしおらしく、「御免下さいまし」座へ通って再び老人に頭を下げ、「おかげさまで、すっかり当ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それと、お大尽様、くどいようでございますが、あなた様にもぜひひとつ、今度の興行を見ていただきとうございます」「いいや、わしがような山家者(やまがもの)、それにこう頭が古くなっては、根っから新しいものを見て楽しもうと思いませぬ」「それでも、せっかくでございますから」「まあ、勘弁して下さい、これが、わしの性分なのだから」「ほんとうに残念でございます」肝腎(かんじん)の金主元が、事業の出来栄えを見てくれないのをお角は残念がると、伊太夫は、「そういうわけだから、悪く取って下さるな...
中里介山 「大菩薩峠」
...ドル旦のお大尽のお墨附! 愚拙が家の家宝――何とあそばします」神尾の余憤は容易に去らない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことごとくお大尽のお気にかないました」「馬鹿野郎!」「これは重ね重ねお手厳しい...
中里介山 「大菩薩峠」
...この十年間飽きもせずに押し廻っている典型的なお大尽です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今夜は俺がお大尽になつて威張りたいから俺が帰るのをマメイドで...
牧野信一 「馬車の歌」
...佐野のお大尽が」声を低めて阿波太夫は云ふ...
正岡容 「吉原百人斬」
...お大尽のおいでなさらない前に...
正岡容 「吉原百人斬」
...その土地を自分の内のものだと言い出したそれでこちらでは以前そのお大尽の野村さんから寄進された土地だと言うといや...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...種がためにはお大尽のおひい様の気らくさにも思われる...
矢田津世子 「神楽坂」
...「お大尽(だいじん)が通る」「関内芸妓(げいしゃ)が通る」と百姓たちは...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...このお大尽子(だいじんこ)も...
吉川英治 「新書太閤記」
...二人は山腹の豪勢なお大尽(だいじん)やしきの門を叩いた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...百両千両はきれいにお撒(ま)きになるお大尽...
吉川英治 「新・水滸伝」
...お大尽様』『うむ……そこじゃ……ああよい気もち……遊びも肩の凝(こ)るものじゃ』乗合い客の中には...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...山科のお大尽のせがれ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...お大尽様というものは昔から男のものに限っている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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