...他のものを滅亡させる仕事をお仕舞ひにする...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...もう生命もこれでお仕舞ひだわいと悲壯な覺悟をしなければならなかつたほどの大旋風にも襲はれたので...
海野十三(佐野昌一) 「寺田先生と僕」
...お仕舞(しまい)までお読み下さい...
太宰治 「虚構の春」
...きれいにお仕舞(しま)いなんだもの』わたしは彼女(かのじょ)のところへ出かけて行ったが...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...お行儀よく初めからお仕舞まで...
中谷宇吉郎 「雪今昔物語」
...私はお勝手で下女を相手にお仕舞をして居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ガタピシと晩のお仕舞をしているのですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お前がお冬に一番お仕舞にあつたのは何時(いつ)だ」平次の問ひは唐突(たうとつ)でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お仕舞にはこんな人を知らないと言ひ出したんで」「それは困つたな」「大困りですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...金太の四人はどこに居たんだ」「お伝はお勝手のお仕舞...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お仕舞やら三度の食事の支度やら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夜食のお仕舞いを済ますと叔母は呑込み顔に出て行ってしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お勝手のお仕舞が濟んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お仕舞に、御主人は、毎晩あの金之助といふ若い手代を、傍に寢かして置きなさるので?」「いや、そんな可哀想なことはしません、若い者が、年寄の病人の側を好きなわけはないから、身體を揉んだり、足腰を擦(さす)つたりする時だけ申付けます」恐らくこの老朽(おいく)ちた主人の側(そば)には、美しい内儀のお春は泊つてくれないのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それでお仕舞なんだから」お浜には...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...物いはねば狹き家の内も何となくうら淋しく、くれゆく空のたどたどしきに裏屋はまして薄暗く、燈火(あかり)をつけて蚊遣りふすべて、お初は心細く戸の外をながむれば、いそ/\と歸り來る太吉郎の姿、何やらん大袋を兩手に抱へて母さん母さんこれを貰つて來たと莞爾(につこ)として驅け込むに、見れば新開の日の出やがかすていら、おや此樣な好いお菓子を誰れに貰つて來た、よくお禮を言つたかと問へば、あゝ能くお辭儀をして貰つて來た、これは菊の井の鬼姉さんが呉れたのと言ふ、母は顏色かへて圖太い奴めが是れほどの淵に投げ込んで未だいぢめ方が足りぬと思ふか、現在の子を使ひに父さんの心を動かしに遣(よこ)し居る、何といふて遣したと言へば、表通りの賑やかな處に遊んで居たらば何處のか伯父さんと一處に來て、菓子を買つてやるから一處にお出といつて、我(おい)らは入らぬと言つたけれど抱いて行つて買つて呉れた、喰べては惡いかへと流石に母の心を斗(はか)りかね、顏をのぞいて猶豫するに、あゝ年がゆかぬとて何たら譯の分らぬ子ぞ、あの姉さんは鬼ではないか、父さんを怠惰者(なまけもの)にした鬼ではないか、お前の衣類(べゞ)のなくなつたも、お前の家のなくなつたも皆あの鬼めがした仕事、喰(くら)ひついても飽き足らぬ惡魔にお菓子を貰つた喰べても能いかと聞くだけが情ない、汚い穢(むさ)い此樣な菓子、家へ置くのも腹がたつ、捨て仕舞な、捨てお仕舞、お前は惜しくて捨てられないか、馬鹿野郎めと罵りながら袋をつかんで裏の空地へ投出せば、紙は破れて轉び出る菓子の、竹のあら垣打こえて溝の中にも落込むめり、源七はむくりと起きてお初と一聲大きくいふに何か御用かよ、尻目にかけて振むかふともせぬ横顏を睨んで、能い加減に人を馬鹿にしろ、默つて居れば能い事にして惡口雜言は何の事だ、知人(しつたひと)なら菓子位子供にくれるに不思議もなく、貰ふたとて何が惡い、馬鹿野郎呼はりは太吉をかこつけに我(お)れへの當こすり、子に向つて父親の讒訴(ざんそ)をいふ女房氣質(かたぎ)を誰れが教へた、お力が鬼なら手前は魔王、商賣人のだましは知れて居れど、妻たる身の不貞腐れをいふて濟むと思ふか、土方をせうが車を引かうが亭主は亭主の權がある、氣に入らぬ奴を家には置かぬ、何處へなりとも出てゆけ、出てゆけ、面白くもない女郎(めらう)めと叱りつけられて、夫れはお前無理だ、邪推が過る、何しにお前に當つけよう、この子が餘り分らぬと、お力の仕方が憎くらしさに思ひあまつて言つた事を、とツこに取つて出てゆけとまでは慘(むご)う御座んす、家の爲をおもへばこそ氣に入らぬ事を言ひもする、家を出るほどなら此樣な貧乏世帶の苦勞をば忍んでは居ませぬと泣くに貧乏世帶に飽きがきたなら勝手に何處なり行つて貰はう、手前が居ぬからとて乞食にもなるまじく太吉が手足の延ばされぬ事はなし、明けても暮れても我(お)れが店おろしかお力への妬み、つくづく聞き飽きてもう厭やに成つた、貴樣が出ずば何(どち)ら道同じ事をしくもない九尺二間、我れが小僧を連れて出やう、さうならば十分に我鳴り立る都合もよからう、さあ貴樣が行くか、我れが出ようかと烈しく言はれて、お前はそんなら眞實(ほんとう)に私を離縁する心かへ、知れた事よと例(いつも)の源七にはあらざりき...
樋口一葉 「にごりえ」
...それこそお仕舞いだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そこへ奧さんがお仕舞が出來て...
森鴎外 「半日」
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