...――もし、お上人様、その花は何でございます...
芥川龍之介 「煙草と悪魔」
...ぬくとい部屋にお上がりよ...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 「おやゆび姫」
...「まあ、お上手だわね、貴方これ迄屹度どこかの売子だつたんでせう...
薄田泣菫 「茶話」
...お上さんが大層な働きもので...
徳田秋声 「あらくれ」
...お上を欺いて――」曾川は...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...お上(かみ)の者と見ると...
直木三十五 「南国太平記」
...まアお上り...
永井荷風 「羊羹」
...どうぞお上り下さいませ」という丁重な言葉付(つき)である...
中谷宇吉郎 「I駅の一夜」
...お上のご沙汰をまっております...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...お上の御用も勤めるのかい」平次の舌は辛辣でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今度はお上じゃ抛(ほ)っておかないぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ロシア語をより一層お上品にしようとて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...生き死にの病人が待っているんだ!」「合点だ!」またたく間に、山ノ宿から走(は)せつけた、田圃の小家――かごが着くと、肩をすくめるように、出迎えた法印――闇太郎、いつになく囁くように、「どうだ、病人は?」一〇しお垂れ切った顔をして、出迎えた法印を眺めて、闇太郎が、「ど、どうした? 病人は?」「それが、だんだん、もう、高い声も出さなくなってしまったんだ――おらあ、いつ息でも引き取るかと、一人で、心ぺえで、おっかなくってならなかったよ」「おっかねえッて! 何をいってやがるんだ――さあ、雪さん、お上り」男手で、それでも、温かい臥床(ふしど)に、横にしてやった、浪路、髷(まげ)も、鬢(びん)も、崩れに崩れて、蝋(ろう)のように、透きとおるばかり、血の気を失い、灯かげに背(そむ)いて、目をつぶっていたが、どうやら、なるほどもう、死相を呈してしまったらしく、げっそりと、頬も顎も削(こ)けていた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「こんな問題ではお上(かみ)の御忠告にも昔の私はお服しすることができなかったのだから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...」「原稿はお上手だったの...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...お上はただ早く遣って貰いたいと仰ゃるのです...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...仰せ出しの時刻よりもちと早く、すでに、吹上のお茶亭へお渡りになり、ただお一人で、越前はまだかと、再三の御催促なので」「ありがたい思し召に反(そむ)いて、彼が、無用な強情(ごうじょう)をいい募(つの)っておろうなどとは、お上にも、ゆめ、御存知ないのでござろうが」「それは元よりです...
吉川英治 「大岡越前」
...大坂表へ打ってお上りあるべしでござる...
吉川英治 「新書太閤記」
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