...それから、しばらくして、水谷少年が、やっと正気にかえり、下におりて、デパートの上役(うわやく)に、このことを知らせますと、デパートじゅうが、大さわぎになり、警官がかけつけましたが、すべて、もう、手おくれでした...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...お嬢さんが『この方をお送りしておくれ』とおっしゃって...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...三十分も遅刻(おくれ)て来るなんて――...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...ちつとは私の心持にもなつて見ておくれよ...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...私たちの子供を生んでおくれ...
太宰治 「斜陽」
...水をいっぱい汲んで来ておくれよ...
林不忘 「安重根」
...「しばらくこゝでとめておくれ」というおことばでござりまして...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...新聞を読み月おくれの新日本を借りて帰る...
種田山頭火 「其中日記」
...おせう (呼びに行く)おはま みんな安心して引取っておくれ...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...「弥次喜多」の本読みするたのしさを思ひつゝ起きると急行が五十分おくれますといふ話...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...そッとして置いてやっておくれよ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...改補がおくれているのでしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...子供たちのために勘弁しておくれってって泣きましてね...
山本周五郎 「季節のない街」
...あっちへ行っておくれ...
吉川英治 「私本太平記」
...――二日おくれて鎌倉を出た幕軍の第二軍三軍がすでに合(がっ)していたものだった...
吉川英治 「私本太平記」
...人におくれはとらぬつもりで働いたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...時刻におくれると...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いいおくれたが、白峯のいただきは、鼓ヶ岡の丸木ノ御所で崩ぜられた新院の御遺骸を、時の国司がダビに附した所であり、かつて西行が来て見たころは、「――松の一むら茂れるほとりに、杭まはしたり、これなん、御墓にや……」とある程度の土(ど)まんじゅうがあったのを、後に御陵とされ、今では陵墓管守二、三名も詰めていて、チリ一つなく清掃されている...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??