...うつろな眼を将校のほうに向けた...
モオパッサン 秋田滋訳 「狂女」
...泣きわめく遺族に取り囲まれたうつろな死骸(しがい)のように...
有島武郎 「或る女」
...うつろな声がしました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「アンネ・リスベット」
...かれは明智のピストルと、警官隊のすがたに、おびえて、だんだん、あとじさりをし、いまは、黄金の大どくろの口のへんに、もたれかかって、肩で息をしながら、うつろな目で、こちらを見つめていました...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...池の端の大木のうつろなぞに隠れているうちに...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...(間)うつろな深い井戸へ投げこまれた囚(とら)われびとのように...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...うつろな目にも火が戻り...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...四十四破産者の笑いそのもののうつろな笑いのうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
......
中原中也 「山羊の歌」
...エミリイは今までにないうつろな眼をして...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...なぜか、気が沈む……サト子は、どうでもよくなって、うつろな声で、言った...
久生十蘭 「あなたも私も」
...何處か心にもうつろなところがあるらしく...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...それはうつろな・靄(もや)のような・思いで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...うつろな眼のまま黙り込んだ...
横光利一 「旅愁」
...わたしゃアまた、ゆうべのことがあったから、てっきり、捕手がお出(い)でかと思ったのさ」そして、市十郎の横顔を、ながし眼に見たが、市十郎は、凝然(ぎょうぜん)と、あらぬところへ眼をやったまま、うつろな身を、石のようにしていた...
吉川英治 「大岡越前」
...二日もうつろな眼をしてゐる顏は...
吉川英治 「折々の記」
...ここでは妙にうつろな日となっている...
吉川英治 「私本太平記」
...ついにうつろな空声に帰せざるを得ない...
吉川英治 「新書太閤記」
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