...うつろな声がしました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「アンネ・リスベット」
...かれは明智のピストルと、警官隊のすがたに、おびえて、だんだん、あとじさりをし、いまは、黄金の大どくろの口のへんに、もたれかかって、肩で息をしながら、うつろな目で、こちらを見つめていました...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...このような心のうつろな時には...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...洞穴のようにうつろな胸...
谷譲次 「踊る地平線」
...うつろな眼で自分の肩を見おろしながら言った...
ディッケンズ Charles Dickens 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...うつろな眠りから醒(さ)めると...
徳永直 「冬枯れ」
...そのうつろな眼を以てしきりに...
中里介山 「大菩薩峠」
...なぜか、気が沈む……サト子は、どうでもよくなって、うつろな声で、言った...
久生十蘭 「あなたも私も」
...五音(ごいん)をはずしたうつろな声で...
久生十蘭 「奥の海」
...うつろな気持で歩いていた金五郎は...
火野葦平 「花と龍」
...波が小舟のへさきに当って立てるうつろなひびき――へさきは急勾配に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...水に落ちてはつめたい波を立てうつろな音をあげ...
宮沢賢治 「秋田街道」
...魂はそこへ行ってしまったようなうつろな気になりながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あの髑髏のうつろな目の穴へも...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...うつろな顔に描いていた...
吉川英治 「私本太平記」
...返り討ちにされたのか……」うつろな眼で...
吉川英治 「宮本武蔵」
...眼がうつろなのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それは胴体が中のうつろな袋なので...
和辻哲郎 「文楽座の人形芝居」
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