...何かうっとりと話しつづけた...
芥川竜之介 「歯車」
...うっとりと本の挿絵(さしゑ)に眺め入(い)り...
石川啄木 「悲しき玩具」
...うっとりと物思いに耽っている内に...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...うっとりと眺めている...
太宰治 「八十八夜」
...小女(こむすめ)もその顔を見返すようにしてうっとりとした眼をした...
田中貢太郎 「水魔」
...たちまちうっとりとなって言った...
田中貢太郎 「蓮香」
...私はふと思い起してしばらくうっとりと鼠入らずの前に立ち尽して考え込んでいた...
近松秋江 「うつり香」
...うっとりと寺男の俗謡塩鮭の口ぱっくりと空を向く尺八の音ぞ青竹の死の唄よ性未だリボンつけたき少女なる草に寝る...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...うっとりと夢みていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...レーグル・ド・モーはミューザン珈琲(コーヒー)店の戸口の枠飾(わくかざ)りの所によりかかってうっとりとしていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...うっとりと眺めつくして...
中里介山 「大菩薩峠」
...其のくせうっとりと夢見るような...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...おのれ自身の美の反映にむかって両腕をのばしながら浮かべる、あの深い、うっとりとした、吸いよせられたような微笑だった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...正道はうっとりとなって...
森鴎外 「山椒大夫」
...「もう春もおしまいだねえ」お兼はその言葉の品のよさに自分でうっとりとなりながら云った...
山本周五郎 「青べか物語」
...「おお、よい空になりましたこと……」呟(つぶ)やいたまま、うっとりとして、三叉の銀波、佃(つくだ)の芦(あし)の洲などに眼を取られて、すぐ桟橋へ上がろうともしなさらない...
吉川英治 「剣難女難」
...そして、お米は、その手くびのしびれを忘れて、うっとりと、弦之丞の顔を見まもっていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...あのうっとりと閉じた眼に...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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