...「折角(せっかく)いいものを送って下すったのに……」そういいかけたらいちどきに涙がこぼれそうになったのをそのままさりげなく茶の間のほうへきてしまった...
中勘助 「母の死」
...いちどきに沢山儲(もう)ける実業家ではなし...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...百姓泣かせがいちどきに流れこんだのだった...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...それがいちどきにでしたから気になって...
長谷川時雨 「人魂火」
...すうっといちどきに長く早くふいてしまわずに...
羽仁もと子 「女中訓」
...いちどきに、何人の男があったか、それは、もう、滅茶苦茶といった方が早いかも知れませんわ...
火野葦平 「花と龍」
...いちどきにぬつと頸をのばして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...何も彼もいちどきに行詰るものだ! と...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...文武の両師にいちどきにお目にかかれましたも...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...かすかに西日を受ける部屋の中で物珍しく輻輳した感じでいちどきに目に映った...
宮本百合子 「寒の梅」
...いちどきに大方今夜も晴れているらしい星空に向って...
室生犀星 「蛾」
...どかりといちどきにかたまって来たなら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いちどきに私のほうへ振り返った...
山本周五郎 「青べか物語」
...いちどきに店の荷を半分も買ってゆこうとした...
山本周五郎 「柳橋物語」
...いちどきに家中(かちゅう)の者が攻(せ)めかけてくる手はずとなっておるのだから...
吉川英治 「神州天馬侠」
...十二人がいちどきに彼女を取り巻(ま)くことができない...
吉川英治 「神州天馬侠」
...いちどきにドッとかかったので...
吉川英治 「神州天馬侠」
...見えます、見えます、竈の中で、江戸の同心めが、のた打っている有様が!」胸さきに、生唾(なまつば)を痞(つか)えさせていた武士たちも、その図に乗って、いちどきに、わッと凱歌をあげて引揚げた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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