...いかがわしい女を求めに行くと云うことだけだった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...変なおやじが箒(ほうき)で腰をなぐろうとしている光景は甚だ珍妙ないかがわしいものであった...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...いかがわしいお茶番ばなしが始まった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...そのいかがわしい仇(あだ)っぽさ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...研究と申すほどの大袈裟(おおげさ)な文字はいかがわしいが...
夏目漱石 「創作家の態度」
...床にはいかがわしい墨画(すみえ)の梅が...
夏目漱石 「門」
...東西両国にはもっといかがわしい見世物のあった頃...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いかがわしい習俗の中で暮すようになっためぐりあわせが悪いのだと...
久生十蘭 「予言」
...いかがわしい賭場(とば)を急襲しただけだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...いかがわしい女を抱き捨て御免にして智謀無双と自ら誇っていた者があった...
南方熊楠 「十二支考」
...産婆のいかがわしい生活の一こま...
宮本百合子 「「愛怨峡」における映画的表現の問題」
...いかがわしい予言者だの...
宮本百合子 「明日の知性」
...当時文学とよばれる分野に入りこんできたいかがわしい出版物について注意を喚起している...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」
...一九一四――一八年の大戦も「理性と責任から行われたものでなくて甚だいかがわしい性格と悟性しかもたない黒幕的人物の手によってなされたのである」そういう賭博に対し自己防衛のためにもフーシェのような歴史的黒幕人物...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この本には余りいかがわしい記事は掲げてないから...
武者金吉 「地震なまず」
...そんないかがわしいうしろ暗えまねは...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...自分だけはいかがわしい女を三人も抱えて贅沢三昧(ぜいたくざんまい)に暮している...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...周馬がいかがわしい三味線に合せて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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